暮らしのコラム

2023年11月17日

ポピュラーになりつつある3階建て建売は、空間的なゆとりや眺望の良さから注目を集めていますが、選び方を間違えると後悔の元になる場合もあります。ここでは、3階建て建売の魅力とその選び方のポイント、そして購入時の注意点を解説します。
住宅の購入は人生の中でも大きな決断になります。あなたが理想の住まいを手に入れるためのガイドとして、ぜひ参考にしてください。

3階建て住宅のメリット

眺望が良い・採光が確保しやすい

一般的に戸建てというと2階建て住宅が多く、同じような建物が密集すると部屋が暗くなってしまったり、窓を開けたときに目線が合うなど少し気を遣う場面も出てくるかもしれません。
しかし、3階建て住宅は高さがあるため眺望が良く、採光も確保しやすくなります。


フロアごとに間取りの用途を考えられる

フロアごとに間取りの用途を変えられることもメリットです。
世帯にもよりますが、部屋を用途別に間取りで分けているケースがあります。例えば、ある部屋はリビングに、またある部屋は趣味の部屋、その他にも子供部屋もあるかもしれません。
しかし、平屋や2階建てであれば用途別に間取りで分けることが難しい場合があります。
例えば、音楽鑑賞を趣味としている人の部屋が隣の子供部屋の遊ぶ声に邪魔をされるという場合があります。
その点、3階建て住宅であれば間取りで用途が変えられます。1階は音楽鑑賞などの趣味の部屋、2階部分をリビング、3階部分を子供部屋といったように分けることが可能なのです。


水害によるリスクを軽減できる

近年はゲリラ豪雨の被害が頻発していて、地域によっては水害に見舞われるケースが見られます。 3階建て住宅であれば高さがあるため、水害の時に避難場所として利用できます。また、主な居住スペースや大切なものの保管場所を3階に設置するなど、水害時の被害を最小限に抑えることもできます。

3階建て住宅の価格相場

価格相場はハウスメーカーによって大きく異なります。
ローコストのメーカーであれば坪単価が50万円程度。大手ハウスメーカーであれば70~80万円とも言われます。価格のバラつきは間取りや設備、そして階数など、さまざまな要因によって発生しています。
例えば、100㎡の家を購入する場合ローコストのメーカーで1500万円程度、大手ハウスメーカーであれば2,100~2,400万円程度と見積もれます。
ただし、ハウスメーカーも構造によって坪単価が変わります。坪単価が100万円を超えるケースもあるので、3,000万円と考える必要もありそうです。

2階建て住宅よりもコストがかかる3つの理由

3階建て住宅は坪単価が高く、2階建ての1.2~1.5倍とも言われます。
では、なぜコストの差が発生するのでしょうか。


構造計算が義務化されているため

建築物の設計において、強度の確認は非常に重要です。仮に、計算がいいかげんであれば恐ろしい事態になりかねません。住宅の場合、3階建ては構造計算が義務化されています。しかし、2階建てまでは構造計算が義務とはなっていません。これは現時点で法的に免除されているからです。
そのため、3階建ては計算するコストが発生し、その分高額になります。
ただし、建築基準法の改正が2025年4月に改正される予定で、2階建て建物の構造計算免除がなくなります。その分、2階建て住宅であっても構造計算が必要となり、建築価格が上がるかも知れません。


耐火や防火に関する規定の適用数が増えるため

住宅は3階建てになると耐火や防火に関する規定が増えるため、コストが上がってしまいます。
例えば代表的に挙げられる規定の中で防火地域の規定があります。3階建て以上、または延べ床面積が100㎡を超える場合には耐火建築物となるのです。
またその他にも、排煙の規定においては煙の充満を避ける構造とする条件や、消防隊が突入する開口部やバルコニーを設置しなければいけないなどの条件もあります。 このように3階建てになると2階建て以下の建物よりも規定が増えるため、それに伴って高額になるのです。


地盤改良が必要になる場合がある

地盤がしっかりしていないと、住宅は沈んだり傾いてしまう場合があるため、土地によっては地盤改良が必要になります。
地盤改良には表層部分を改良するものや杭を地中に埋め込む方法がありますが、いずれも大きな工事です。
3階建て住宅は、土地面積に対して建物の重量が増えるため地盤改良をするケースが多くあり、その分コストがかかる可能性があります。
ただ、この工事は建売住宅ではなく、注文住宅のケースが多く見られます。
ちなみに、土地改良の費用は買主の負担です。注文住宅の場合は建築費用に地盤改良の費用が発生するケースが多くなるのです。

3階建て住宅はやめた方がいいといわれることも

3階建て住宅には「やめた方がいい」という意見もあります。
これはコストを除いたデメリットがあるためです。
では、コストの他に、どのようなデメリットがあるのでしょうか。


階段の上り下りが負担になる

当然ですが3階建て住宅は2階建てよりも生活導線の中に階段の上り下りが多くなりますが。
特に、お年寄りのような運動能力の低下した人は階段の上り下りを負担に感じるかも知れません。
その点、2階建てにするならば、1階部分が広いため、1階部分に生活スペースを限定させることが可能です。その結果として「階段を上らない生活」が可能となります。
ただし、3階建てであっても昇降機を取り付けたりすれば、不便な部分のサポートは可能です。


フロアによって温度差が生じやすい

室内は温かい空気が上に行き、冷たい空気が下に行きます。
そのため、3階建て住宅は上のフロアが温かくなり、下のフロアは寒くなりやすいです。
また、家の構造によっては屋根が受ける日射の影響をダイレクトに受けてしまいます。他にも上の階は下の階よりも日当たりが良い場合が多いです。夏場は更に気温が上がってしまうのです。
そのため、3階建ての住宅はエアコンの使用量が多くなりがちで、電気代が膨らむことが少なくありません。特に、昨今のエネルギー価格の高騰は家計を直撃します。生活を圧迫し得るのです。
ただし、今は住宅の断熱性能も上がっています。フロアによる温度差も以前よりも生じにくいと言えます。


後悔しない3階建て建売住宅を選ぶポイント

このように、3階建て住宅にも弱点があります。家を選ぶ上ではポイントを絞って決める方がベターです。
そこで、ここでは3階建て住宅を選ぶポイントを紹介しましょう。


車の駐車がしやすい位置にあるか

3階建て住宅を購入するポイントの1つは「車の駐車がしやすい位置にあるか」です。
3階建て住宅の多くは狭い土地に建てられることが多く、インナーガレージがあるか、家屋への通路が駐車スペースになっている場合が多いです。
そして、土地によってはセットバックして建てられているケースもあり、車の出し入れが厄介な場合があります。
尚、敷地前の道路の交通量も気を付けるべきです。車の通りの多い道路の場合には、車の出し入れが大変になることもあります。道幅や交通量などを勘案して、駐車しやすい家を選ぶことがポイントと言えるでしょう。


空調設備が整っているか

空調設備が整っているかも重要となるでしょう。
今の住宅では全館空調設備を備えているケースがあります。3階建てであっても空調設備を整えてある物件がオススメです。
尚、空調設備について気を付けると同時に、住宅の断熱性能についても確認する方がベターです。というのも、住宅の断熱効果がしっかりしていれば気温の均一化に有効だからです。


家族構成や生活スタイルを考慮する

家族構成や生活スタイルを考慮することもポイントです。
何人家族か、何世帯かを明確にし、それぞれの生活リズムを考慮して家を選びましょう。
特に、3階建ての場合は階段の上り下りがあるので、安全対策が必要です。また、小さい子供がいる家庭では転落防止のためのゲートなどを別途に設置しなければいけません。
また、駐車場に難があるケースも考えられるので、車の有無についても考えるべきです。
子供の成長も重要な条件となるので、併せて考えて決めましょう。


災害対策や空調設備の整った物件選びをしよう

住宅は安全性と快適性が確保されていなければいけません。
例えば、耐震性能、防火性、避難経路の確保などが災害対策としてあるでしょう。また、快適性においては空調設備などがあります。オプションで設置できる場合もあるので、住宅を選ぶ際には設置が可能かを確認するべきです。
なお、3階建て住宅には吹き抜けや収納にこだわった物件も多くあり、快適な家も多いです。家選びには、収納なども見て選びましょう。


   

まとめ

3階建て住宅について取り上げました。
展望の良さや水害リスクの軽減など、メリットやコストなどの問題が把握できたことでしょう。
また、駐車のしやすさなど、家選びのポイントもイメージできたのではないでしょうか。
今では3階建て住宅のレベルも上がり、快適性も更に向上しています。そのため実際に家を選ぶときは、災害対策や空調設備など、選ぶポイントを踏まえながら、実際にモデルルームなどに足を運んでみることをおすすめします。

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