暮らしのコラム

2023年11月17日

新築住宅の購入を経済面から考えるならば、ベストタイミングがあることをご存じでしょうか。 住宅購入のタイミングは人それぞれではありますが、特にローン負担を考えるならばおすすめのタイミングがあります。
そこで、ここでは住宅購入の経済面から考えたベストタイミングについて解説します。

家を買うタイミングは早い方が安心

家を買うタイミングは「早い方が安心」です。ここでは次の3点から、早い方が安心できる理由を解説します。
●家を購入する人の平均年齢
●家を購入する人の世帯年収
●住宅ローンの借入期間


家を購入する人の平均年齢

まずは家を購入する人の平均年齢を見てみましょう。


引用元:令和4年度 住宅市場動向調査報告書


家を購入する人の平均年齢は、国土交通省の資料からわかります。
国土交通省・住宅局の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、住宅購入の年齢層は次の通りです。

年齢層 新築注文住宅(%) 分譲戸建て住宅(%)
30歳未満 14.1 12.5
30歳代 41.7 45.6
40歳代 23.5 27.9
50歳代 9.4 8.2
60歳以上 11.1 5.8

新築注文住宅の場合、30歳未満で14.1%、30歳代が41.7%で55.8%が購買層です。
また、分譲戸建て住宅では30歳未満で12.5%、30歳代で45.6%が購入層で、新築注文住宅、分譲住宅ともに30歳未満で購入した割合が50~60%と、半数以上の方が30歳代までに新築住宅を購入しています。



家を購入する人の世帯年収

引用元:令和4年度 住宅市場動向調査報告書

「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、家を購入する人の世帯年収は、平均で注文住宅が全国で801万円、3大都市圏で896万円、分譲戸建住宅で750万円です。
全国と3大都市圏を比較すると、全国よりも3大都市圏の方が収入の点で上回っていることが読み取れます。
3大都市圏で購入費用が上がっている理由はさまざまでしょうが、注文住宅そのものが高価なことや、土地などの取得費用が地方よりも高額になっていることが代表的な理由と思われます。


最長の住宅ローンは50年

住宅購入には住宅ローンが欠かせませんが、ローンの利用には年齢的な条件があります。
金融機関によっても異なりますが、代表的な条件を表にまとめています。

項目 条件
申し込み 20歳以上70歳未満
完済時年齢 80歳未満
ローンの借入期間 最大で50年

ローンの借入期間が50年の場合、完済時は81歳未満となるため、29歳に借り入れすることになります。


ここで住宅金融支援機構のフラット50で考えてみましょう。
フラット50は毎月の返済額が同じのため、返済計画が立てやすいですが、年齢制限があります。
フラット50を利用する場合は、完済が80歳までの条件とすると、申し込み時の年齢は44歳未満となっています。しかし、実際に働ける期間は65歳までが一般的です。働ける期間を考えると30代までがローン契約のベストタイミングと言えるでしょう。

ライフステージで見る家を買うタイミング

住宅購入に踏み切るタイミングは以下のようなライフステージを契機にしている場合が多いです。
●結婚・生涯のパートナーを見つけたとき
●子供が生まれたとき
●子供が進学するとき
●定年退職を迎えるとき
それぞれ具体的に紹介します。


結婚・生涯のパートナーを見つけたとき

結婚や生涯のパートナーを見つけたときは、部屋が足りなくなったり狭くなったりする場合が多いです。
また、住む人数が増えることで家財も増えるため、部屋数や広さが必要になりますし、車の購入を考えている場合は、駐車場なども欲しくなります。
さらに、賃貸住宅の家賃よりもローンを組んだ方が安くなる場合があるので、費用削減を考えて買うのもよいでしょう。


子供が生まれたとき

子供が生まれると、夫婦でいるときよりも必要なものが更に増えます。
幼児期であれば、ベビーベッドの設置や子供のための遊び場、おもちゃの置き場場所など、子供1人でも意外にスペースが必要となります。
また、子供の成長を考えると子供部屋を考えることもあるでしょう。2人目が生まれたときに今住んでいる家が手狭に感じる場合もあります。いずれにせよ、子供が生まれればそれだけの広さや場所が必要となるので、そのタイミングで家を購入する傾向は高くなります。


子供が進学するとき

子供の進学は大きなライフステージで住宅購入のタイミングとなります。
子供が学校にはいると、学習机やランドセルなど、学年に応じて必要なものが増え、必要なスペースも増えていきます。
子供が2人、あるいは3人いる場合にはさらにスペースが必要です。その場合には、上の子が入学するタイミングで住宅購入に踏み切るケースが多いです。


定年退職を迎えるとき

定年退職は第二の人生のはじまりといわれています。例えば、定年退職時には子供も巣立っている人も多く、趣味に時間を費やす人もいることでしょう。多くの人はライフスタイルが変わります。
そして、このタイミングが住宅購入の機会にもなります。より住みやすい地域に引っ越したり、老後に備えて住みやすい家を購入する人も少なくありません。


新築住宅は何月に購入するのがベスト?

では、住宅は何月に購入するのがベストなのでしょうか。
前述のように子供の入学や進学は4月です。また、年度末は転勤の時期でもあり、転勤する会社員であっても、新生活は4月からとなります。会社にもよりますが、年度末をもって定年とするところもあるでしょう。
そのため、住宅購入はライフスタイルが大きく変わる前の3月がベストタイミングと考えられます。
家電製品なども新生活の人向けに3月頃にセールをすることが多く、新しい家財を揃える点でもおすすめの季節です。


新築住宅を買うときはいくらかかる?

次に、新築住宅を購入するときの費用について取り上げましょう。


物件を購入するときにかかる費用

物件を購入するときには住宅ローンを借りる人が多数派ですが、住宅ローンの多くは頭金の必要があります。
頭金の相場は以前には物件購入額の2割程度と言われていました。しかし、今では頭金がなくても利用できるローンが登場しています。ただし、頭金なしでローンを利用すると毎月の返済額がそれだけ膨らんでしまいますので、金利を考慮して検討するのがよいです。
また、住宅ローンには手数料が発生します。手数料は金融機関によって異なりますが、3~5万円が相場となりますので覚えておきましょう。


物件費用以外でかかる費用

不動産の購入には物件価格とは別に費用が発生します。
費用は手数料と税金です。以下のものが主なものとして挙げられます。
●仲介手数料
●印紙税
●手付金
●登録免許税
●不動産取得税
●消費税
●司法書士報酬
●保険料
金額は物件にもよりますが、概ね物件価格の6~9%程度です。住宅物件は一般的に数千万円以上となるため、決して安い金額ではありません。少しでも安くしたいところです。
そこで役立つのが次に述べる住宅ローン控除です。


住宅購入による控除がある

住宅ローン控除は、新たに住宅を購入したときに受けられる所得税の控除です。新築住宅を購入した場合には、年末時点の借入残高の0.7%の控除を13年間受けられます。
例えば、年末時の借入残高が2,000万円である場合には控除額は14万円になります。借入の残高は毎年減るので控除額は減るのですが、13年間のトータル金額は大きいです。
ただし、住宅ローン控除を受けるためには「合計所得額が2,000万円以下」「床面積が50㎡以上」などの条件をクリアしなければいけません。


住宅購入で後悔しないためのポイント

このように、住宅購入には多くの費用が必要ですが、それだけに失敗は許されません。
では、住宅購入に後悔しないためのポイントにはどんな点があるのでしょうか。


予算を明確に決めておく

家を買う際に予算を明確に決めることは重要です。まず、予算を立てると、探すべき物件の価格帯が明確になります。また、自身の財政状況を把握し、ローンや支払い計画を適切に立てることができます。これにより、将来の財政的なリスクを軽減できるのです。さらに、予算設定をしっかりしておくと予期せぬ支出に備える手助けとなり、長期的な財政計画を立てる際にも役立ちます。


先を見据えたライフプランを立てる

先を見据えたライフプランを立てることが大切です。
例えば、子供の入学を契機に家を購入する場合には、子供の進学に関しても見据えて考えましょう。
将来を考えるならば費用の掛かるライフイベントはたくさんあるはずです。住宅購入の際には人生設計を再確認しておきましょう。


いまのライフステージに家が本当に必要か考える

住宅購入の決断をするときは、いまのライフステージを考慮することが大切です。
結婚、子供の誕生、キャリアの安定など、人生の重要な局面で家は必要となりますので、将来のビジョンと財政状況を踏まえ、家を購入するタイミングは慎重に選びましょう。自分に見合ったライフステージに合わせた選択が、後悔のない住宅購入の鍵です。


まとめ

家を購入するタイミングは早い方が安心です。実際に購入した人を見ると多くの人が30歳までに購入しています。また、住宅購入をする際に多くの人が利用する住宅ローンの申し込みも、働ける期間を考慮すると30歳代までがベストだといえるでしょう。
ただ、当然ながら家の購入は大きな買い物です。後悔せずに大切な家に住み続けるためには、慎重な計画と現実的な予算設定が重要になりますので、自身のライフステージと将来のビジョンを踏まえて家を選ぶようにしましょう。

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