暮らしのコラム

2023年11月17日

新築一戸建てを購入する際、火災保険にどれだけの費用がかかるかを考えたことはありますか?火災保険は、エリアや補償内容などによって保険料が大きく変わります。
本記事では火災保険の相場が決まる要素や、エリア別の相場、保険料を安く抑えるコツについて解説します。火災保険について悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

新築一戸建てを購入するときに火災保険は必要?

火事や水害が起きた際に補償してくれる火災保険ですが、新築一戸建てを購入するときにかならず加入するべきだといえます。ここでは、火災保険に加入するタイミングや補償内容について解説します。


保険にはいつ加入するべき?

火災保険は、引き渡し日を補償開始日に設定することが一般的となっています。その理由としては引き渡し日に補償が開始されていないと、引き渡し当日になにかしらのトラブルで損害を受けてしまった場合に補償を受けられないからです。
引き渡し当日から補償を受けるためには、遅くても引き渡し日の2週間前には火災保険に申し込んでおくようにしましょう。火災保険を申し込んでから補償開始までには1〜2週間ほどかかるので、早めの申込を心がけましょう。


火災保険で補償できるもの・できないもの

火災保険には、補償できるものと補償されないものがあります。


補償できるもの 補償されないもの
・火災
・落雷
・破裂、爆発
・水災、風災、雹災(ひょうさい)、雪災
・水濡れ
・盗難
・突発的な事故による破損・汚損
・外部からの落下・飛来・衝突
・地震
・地震による津波

火災保険はその名の通り火災による被害はもちろん、落雷や風災などの自然災害も補償してくれます。さらに、水災を補償するプランに加入すれば浸水被害の補償も受けることができます。
しかし、火災保険では地震による火災や、地震が原因の津波被害に関しては補償が付いていません。地震に対する補償を受けたい場合は、地震保険を火災保険に付帯することができますので利用しましょう。ただし、地震保険単体で加入することはできません。

火災保険の相場は条件によって異なる

火災保険は、補償の対象となる建物によって保険料が算出されるため、すべての人が同じ金額になるわけではありません。火災保険料の金額に影響を与える要素について見ていきましょう。


火災保険をシミュレーションするときに必要な要素

火災保険料をシミュレーションする際、下記の要素が必要になります。
・建物の所在地
・建物の面積
・建物の構造
・建物の築年数
・補償内容
同じ規模や構造の建物でも、災害が起こりやすいエリアでは保険料が高くなります。
また、建物の構造には大きく3つの種類があります。
・M構造(コンクリート造のマンションなど)
・T構造(耐火構造)
・H構造(非耐火構造)
T構造には、柱がコンクリート造や鉄骨造の建物が該当します。また、そうでない場合でも、耐火建築物・耐火構造建築物・準耐火建築物・特定避難時間倒壊等防止建築、または省令準耐火建物が含まれます。H構造は、一戸建てでT構造以外の建物のことです。
さらに、補償内容によっても保険料に違いが出ます。水災や盗難、家財保険などのオプションを付帯すると保険料は高くなるのです。


耐火性能について

T構造(耐火構造)の中の耐火構造建築物、準耐火建築物、省令準耐火建物の違いについて解説します。


耐火構造建築物

耐火構造建築物とは、建築基準法においてもっとも耐火性能が高いグレードの建物のことです。鉄筋コンクリート造レベルの高い防火性能が求められるため、耐火性能に優れている反面、建築費が高いことが特徴です。


準耐火建築物

準耐火建築物とは、建築基準法の準耐火構造基準をクリアしている建物のことです。耐火構造建築物より基準が緩いため、適切な対処を施せば木造の新築一戸建てでも無理なく基準を満たせる構造です。


省令準耐火建物

省令準耐火建物とは、住宅金融支援機構が運用している耐火基準をクリアしている建物のことです。おもに、フラット35などの住宅ローンを利用する条件として利用されています。
省令準耐火建物は耐火構造建築物や準耐火建築物に比べて基準が緩いですが、住宅の間取りやデザインに制限が掛かる可能性がありますので、取り入れる際は注意が必要です。


【エリア別】新築一戸建ての火災保険相場

ここからは、エリア別に新築一戸建ての火災保険相場を見ていきましょう。
シミュレーションの条件は、以下のとおりです。
・保険金額1500万円
・保険期間5年
・家財保険なし


【東京都】新築一戸建て火災保険相場

  A社 B社 C社 D社
T構造
(耐火構造)
43,260円 45,300円 36,940円 41,250円
H構造
(非耐火構造)
76,630円 84,000円 67,350円 81,750円

【神奈川県】新築一戸建て火災保険相場

  A社 B社 C社 D社
T構造
(耐火構造)
46,110円 47,850円 39,570円 45,000円
H構造
(非耐火構造)
80,510円 89,550円 73,020円 90,300円

【埼玉県】新築一戸建て火災保険相場

  A社 B社 C社 D社
T構造
(耐火構造)
45,220円 47,100円 37,940円 43,650円
H構造
(非耐火構造)
76,990円 85,950円 68,680円 86,250円

【千葉県】新築一戸建て火災保険相場

  A社 B社 C社 D社
T構造
(耐火構造)
45,220円 46,800円 38,220円 43,650円
H構造
(非耐火構造)
76,460円 85,800円 68,940円 85,650円

エリア別で火災保険料を比べると、僅差ですが神奈川県の保険料が高くなる傾向にあります。一方、一番安価なのは東京都だという結果となりました。
このように、エリアによって保険料が変わるという特徴を理解しておくことが重要です。
また、耐火構造の建物は非耐火構造と比べて、保険料が安くなるということもわかります。耐火構造の建物は防火を意識した構造となるため、火災のリスクが低いとされているためです。
木造住宅でも条件を満たせば耐火構造の分類を受けられるため、うまく活用すると良いでしょう。

火災保険+地震保険の保険料相場

地震保険とは、火災保険ではカバーできない地震や噴火、津波などによる損害を補償する保険のことをいいます。地震保険は、火災保険にセットすることでしか加入できません。
では、火災保険と地震保険を合わせた保険料はどれくらいになるのでしょうか。ここでは、東京都の場合でシミュレーションをしてみます。
シミュレーションの条件は、以下のとおりです。
・保険金額1500万円
・保険期間5年
・家財保険なし
・地震保険付き


T構造(耐火構造)・H構造(非耐火構造)の保険料相場

各社 T構造(耐火構造) H構造(非耐火構造)
火災のみ 火災+地震 火災のみ 火災+地震
A社 43,260円 130,490円 76,630円 207,060円
B社 45,300円 132,530円 84,000円 214,430円
C社 36,940円 124,170円 67,350円 197,780円
D社 41,250円 128,480円 81,750円 212,180円

地震保険にセットで加入することで、保険料は3倍近くにまでアップしました。地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営する保険であるため、保険会社によって金額が変わることはありません。
上記例の場合、耐火構造は一律87,230円、非耐火構造は一律130,430円が地震保険として加算されています。
地震保険で耐火構造と非耐火構造の金額に差があるのは、耐火構造は火災のリスクが低く、それは地震においても同じだといえるからです。
日本に住んでいる以上、地震による被害を受ける可能性はゼロにはならないため、地震保険に加入しておくことをおすすめします。


一戸建てとマンションで火災保険料は違う?

一戸建てとマンションでは、火災保険料に差が出ます。保険料に差が出るポイントを紹介します。


構造

マンションの場合は、M構造が適用されます。M構造とは、鉄筋コンクリート造などのマンションに適用される構造級で、一戸建てに適用されるT構造(耐火構造)やH構造(非耐火構造)と比較して保険料が割安になります。


階数

高層マンションの上階の場合、洪水が起きたとしても室内に水が浸入する可能性は低くなります。そのため、河川の近くに位置している戸建てに比べると、水災の補償を付ける必要がなく、保険料を安く済ませることができます。
ただし、近年ではマンションでも床上浸水が起きる場合があるので、あらゆる可能性を考慮した上で火災保険のプランを検討しましょう。


火災保険料を安く抑えるポイント

火災保険は安ければ良いというものではありませんが、適切な補償内容でできるだけ費用を抑えたいものです。ここからは、火災保険料を安く抑えるポイント3点を紹介します。


住まいに合った補償を設定する

ポイントのひとつめは、自分の住まいに合った補償を設定することです。
たとえば、河川に近い住まいには水害の補償を付けるべきですが、その可能性が低い場合は補償を外すという選択肢があります。さらに、周りに家や建物がない場合には、類焼損害のオプションを外しても問題ありません。
このように、エリアだけでなく周辺環境も考慮した上で火災保険のプランの検討をしましょう。


家財補償額は適切に設定する

火災保険に家財保険を付帯することもできますが、家財保険自体を抑えるという方法もあります。
家具家電にはお金をかけていない人や、家の中のものが少ない人は高額な保険料の家財保険は無駄になってしまいます。家財保険の金額は自分で設定できるため、一度家具家電などの総額を計算してみましょう。


長期割引を適用させる

火災保険は、保険期間を長期で設定することで長期割引が適用されます。よって、保険期間を最長である5年で設定し割引を利用しましょう。
また、保険料を一括払いにすることで総支払額を減らすことができます。総支払額は、「一括払い< 年払い < 月払い」となっているため、できるだけお得な方法で支払うことをおすすめします。


保険と合わせて耐火・耐震性の強い家を探す

火災保険は、耐火性能が高い建物のほうが保険料は割安になります。そのため、耐火・耐震性の強い家を探すことも火災保険料を節約するポイントです。
ポラスの分譲住宅は、建物の基礎と構造を同時に計算できるオリジナル構造計算ソフト「ウッド・イノベーターNEXT」を導入し、法律で義務づけられていない木造2階建ても含め「全棟構造計算」を実施しています。したがって、自由なデザインを採り入れながらも、より耐震性の高い住まいを実現することができます。



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また、ポラスの分譲住宅では、火災保険料が安くなる耐火構造の物件も取り扱っていますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

今回は、火災保険の相場や保険料が決まる要素、そして保険料を抑えるコツについて解説しました。火災保険は、さまざまな災害やトラブルに対して補償をしてくれますが、自分に合っていないプランを選ぶと家計の負担が増えてしまいます。
新築一戸建てを購入する際は火災保険料に加入しなければなりませんので、自分のニーズに合った商品を検討しましょう。

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