新築一戸建購入をよく知る連載コラム Vol.02

大規模分譲住宅地と小規模分譲住宅地、立地環境に違いはある？

住人が安心して利用できる広場や緑化された専用道の整備など、美しい景観と暮らしやすい環境を求めて、新築一戸建て分譲の住宅地を選ぶ人も少なくないでしょう。
しかし、いざ分譲住宅地をチェックすると、その規模は総戸数100棟を超える大規模なものから、10棟以下の小規模なものまでさまざまであることに気がつきます。そして、「いったい自分たち家族にはどんな街が合っているのだろう」と悩むことも。

家族のライフスタイルに合う分譲住宅地選びの手がかりを得るには、街並みの魅力に加えて立地やコミュニティの特徴を知ることがとても大切。ここでは、大小の規模別に、新築一戸建て分譲住宅地の特色を紹介します。

広い敷地を要するため郊外で開発されることが多い大規模分譲住宅地。駅から離れていることもしばしばですが、「子育てはのびのびとした環境で」と考える家族に人気があります。
また、在宅ワークなど仕事のスタイルも多様化する昨今は、「駅近」であることが立地の必須条件ではなくなっているという向きも。それを裏付けるように、ONもOFFもアクティブに楽しみたい子育て世代を中心に、郊外型の大規模分譲住宅地は注目を集めています。

比較的コンパクトな開発となる小規模分譲住宅地は、駅から徒歩圏内の市街地や幹線道路に近い立地を得やすいといえます。交通の便のよさを優先するなら、こうした小規模分譲住宅地が候補に挙がるでしょう。日々の買い物や通勤、高齢者世帯と同居ならば通院なども視野に入れた立地選びは、不便のない日常生活の前提となります。

安心、快適に暮らせる街並みの形成

大規模分譲住宅地の魅力は何といっても「街づくり」。子供が安心して遊べる公園や歩行者専用のフットパス（小路）は、住人同士の交流の場にも最適です。
また、日当たりと風通しのよい、ゆったりとした建物の配置は良好な街並みをつくり出します。さらに、家庭菜園のワークショップや餅つき大会など、独自のイベントを通して住人の顔が見える、安心感のある環境を育んでいる分譲住宅地も生まれています。

いっぽうで、世代やライフスタイルによっては、安心で快適な環境を求めつつ、隣り近所とほどよい距離感を保ちたいと思うもの。その点、小規模分譲住宅地では、大規模に比べると独自の施設や活動が少ない分、これまでの生活ペースを維持しやすいといえます。また、規模的に周辺の住宅街に溶け込みやすく、既存コミュニティでの生活をスムーズにスタートさせることもできるでしょう。

資産価値としての分譲住宅地

規模の大小を問わず、美しい街並みが周辺地域のランドマークとなる分譲住宅地。そこに暮らすということは、将来にわたり資産価値の高い住まいをもつということでもあります。

街灯による防犯対策や遊歩道など、安心を支えるインフラも整備された環境はあらゆる世代にとって快適なもの。そのため、子育て時期のあとも長く住み続けることができるのです。あるいは、子育て世代に人気の大規模分譲住宅地なら、若い夫婦や小さなお子さんのいる家族への売却もスムーズに。交通の便がよい小規模分譲住宅地ならば、賃貸への転用なども考えられます。

ライフスタイルで分譲住宅地を選ぶ

大規模と小規模、どちらの分譲住宅地にもメリットがあるように、デメリットと受け取られる側面もあるでしょう。郊外型の大規模分譲住宅地では、マイカーによる移動手段をもたなければ、日々の買い物などで不便を感じることがあるかもしれません。

いっぽうで、小規模分譲住宅地は広さの制約から、十分な街づくりが期待できないことも。しかし、どちらの場合も、住む人の意識次第で克服できることをお忘れなく。コミュニティで車を共有するカーシェアリングの導入は、住戸規模のまとまった分譲住宅地には最適です。
また、花壇の手入れや共用道路の清掃などで、小さな街並みの魅力を高めることも十分に可能なのです。

分譲住宅地選びで大事なことは、近い将来を軸にどのような暮らしを送りたいのか思い描くこと。同世代の子育て家族と積極的に街づくりに参加するもよし、利便性を重視した立地環境で都市生活を楽しむのもよいでしょう。家族のライフスタイルと、既存地域も含めたコミュニティとの関係がうまくつながれば、分譲住宅地での充実した生活を満喫できるはずです。