暮らしのコラム

2021年10月20日

それぞれに特徴や向き・不向きがある

インターネットに情報が溢れる時代、一戸建てのマイホームを購入したいけれど、いろいろあって何を選んだらいいの?と途方に暮れてしまうこともあるでしょう。今回のコラムでは、分譲・建売・注文住宅にはどんな違いがあるのか、それぞれ、どんな人に向いているのかを解説していきます。特徴を知った上で情報を眺めると選びやすくなるので、参考にしてください。

街並みまで吟味できる分譲住宅

「分譲住宅」とは、業者がまとまった土地を購入し、いくつかに分割して住宅を建て、販売する住宅のことをいいます。例えば広大な農地を不動産会社や住宅会社が購入して整地や区画を行い、水道や電気などのインフラを整備した上で住宅を建てるといったものです。
 設備も整った状態で完成した住宅を内覧できるので、具体的に生活を思い描きながら検討することができ、購入後短期間のうちに住み始めることができます。立地や間取り、価格などの条件さえ合えば、同等の仕様で注文住宅よりリーズナブルに購入できる可能性もあります。
 ただし、完成品を購入するので、素材やカラーリング、設備のグレードなどが自分の理想と違っていても、妥協せざるを得ません。間取りは万人に受け入れられやすいオーソドックスなものが多いので、求める暮らしに合致しない部分があれば、後からリフォームしたり、工夫したりして住まい手が家に合わせる必要も多少は出てくるでしょう。また、工事中の様子は見ることができないので、信頼できる住宅会社から購入することが、入居後の安心につながります。
 単体で販売される建売住宅にはない側面は、すでにできあがったコミュニティに入るのではなく、入居者同士が新たなコミュニティ形成の担い手になれること。これをメリットととらえるか否かは価値観によるかもしれませんが、子育て期など、ライフステージの近い世帯が同時期に入居するためコミュニティが築きやすいと考えられます。
街区の設計からひとつの会社が行う分譲地では、統一感ある街並みをつくれるのがメリットです。住宅の外観や植栽、街灯の配置など、総合的なデザインに配慮された雰囲気の良い分譲地には、価値観の近い住人が集まる傾向があり、コミュニティ形成がより円滑に進む可能性も。さらに、雰囲気の良さは住人による維持管理を積極的にさせるため、いい状態が保たれ、将来に渡り資産価値が落ちにくいとも考えられます。
 デメリットとしては、規模の大きな分譲地は郊外の立地が多いということ。駅の近くなど交通の便の良いところは、すでに開発しつくされているため、まとまった土地が売りに出されるケースが少ないためです。
 とはいえ、比較的リーズナブルに、街の雰囲気と完成した住宅をしっかり吟味して選びたいという人には、分譲住宅が最適でしょう。

 

立地の良い物件もある建売住宅

住宅会社が土地とセットで完成した住宅を販売する点は、分譲住宅と同様です。違うのは、大規模な開発地ではなく一区画単位で企画されるもので、多様なエリアに物件が存在することです。人気エリアでは、土地だけが一般の市場に出てくることがまれなので、いい立地の建売住宅にタイミングよく出会えたら、ラッキーと言えるかもしれません。
 ただ、周囲も一斉に入居する分譲住宅とは違って、すでにできあがったコミュニティに新たに参加することになります。地域によっては近隣住民と世代に開きがある場合もあるでしょう。馴染むのに少し時間がかかるかもしれませんし、ご近所さんのサポートをうまく受けることができれば、居心地良く暮らすことができるかもしれないという、不確定要素があります。
 建売住宅が向いているのは、立地にこだわり、完成しているものを確認して購入したい人、細部の仕様にまではこだわらない人だといえます。工事中の様子は見ることができないのは分譲住宅と同じ。住み始めてからのアフターサポートまでしっかりまでしてくれるような、信頼できる住宅会社からの購入をおすすめします。

ゼロベースで自由につくる注文住宅

注文住宅とは、すべてを住まい手の希望に合わせてつくりあげる住宅のこと。どの場所にどんな仕様やデザインの家を建てるのか、予算が許す限り無限に理想を追求することが可能です。住みたい住宅のイメージが明確で、家づくりに能動的に取り組める人に向いていると言えるでしょう。また、家族が多い、店舗付きの住まいにしたい、二世帯で住みたいなど、特殊な事情をもつ人も、注文住宅ならそれに沿った設計ができます。工事中の様子も逐一確認できるのも、他にはない利点と言えます。
 デメリットとしては、土地の検討からドアノブひとつまで、多くの選択肢の中から選び取る必要があり、手間がかかります。設計中は打ち合わせ回数も多く、時間も必要。また、現場一品生産のため、コストは建売住宅や分譲住宅よりも高くなる傾向があります。状況によっては地盤改良や都市ガス等のインフラ整備など、想定外の出費もありえます。購入前に完成品を見られないため、設計士とセンスが合わないと期待したほど希望を反映できないリスクも。設計料がかかる、ローンや支払いが複雑、といったこともネックになります。
 ただ、主体性と情熱があれば隅々まで自分の納得のいく家づくりができるのが、最大の利点であり、魅力と言えるでしょう。
 それぞれの特徴をつかんで、家族とよく話し合い、自分にぴったりの住宅を選択してください。

 

建てた住宅会社の中身も重要なファクターに

また、「どんな会社が建てた住宅か」も買う人にとっての判断材料になるでしょう。「あの会社なら安心」と思えるような要素があれば強みになります。特に、長年地域に根を張って展開している実力の伴った住宅会社であれば口コミ情報も多く、信頼性も得られているでしょう。アフターサポートのしっかりしている会社であることも大切な要素。定期点検や不具合が出る前の先取りメンテナンスが行われていれば、建物の劣化は抑えられ、新築当初の性能も長く保たれます。また、メンテナンスやリフォームの記録がしっかりと残っていることも大切なので、そうしたサービスをきちんと行っている会社が望ましいです。
分譲住宅を探すとき、まずは無理のないローン返済計画で家族が幸せに暮らせることが大前提。その上で、できる限り良い立地、分譲地全体の雰囲気、建物の性能、しっかりした住宅会社が建てたどうかも検討材料に入れ、将来に渡って資産価値が下がらない住宅の購入を成功させてください。

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