暮らしのコラム

2021年12月10日

住宅にも低炭素が求められる機運の高まり

2021年11月に英国で開催されたCOP26 (国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)では、異常気象など気候変動による悪影響を最小限に抑えるため「産業革命前からの気温上昇幅を、1.5℃に抑える」という明確な目標が定められました。世界中がCO2削減へと動いている中、日本でも様々な努力が行われています。住宅業界も例外ではなく、2021年4月からは一般的な戸建住宅に関しても、建築士から建築主に対し、省エネ基準への適合状況について説明が義務化されています。今後もより高い省エネ基準に引き上げるための法改正が進められる予定で、住宅の省エネ化が、社会的な取り組みとしてより強化される見通しです。

省エネ住宅は快適・健康・お得につながる

住宅の省エネ化の手段として、ひとつには建物の高断熱・高気密化があります。窓や屋根、壁床等の断熱をしっかりとした上で、隙間風が入らないように気密シートや気密テープを用いるなど、隙間を塞ぐ施工を行います。熱が外に逃げにくいため、冷暖房の効率が良くなり、少ない消費エネルギーで適温を得ることができます。CO2の排出を減らせるだけでなく、快適さと光熱費の節約という大きなメリットを手にすることができます。また、国の研究により、室温が安定している住宅では健康寿命が長く保てるというエビデンスも出てきており、人々が長寿命化するこれからの日本の住宅に、高断熱・高気密は欠かせない要素となっています。

 

創エネで差し引きゼロ、災害時の備えにも

省エネをさらに進めたものが、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の考え方です。太陽光電池パネルの設置などによる自家発電で、消費エネルギーを上回るエネルギーを創り出すことができれば、消費するエネルギーは実質ゼロに。これがZEHです。太陽光発電の買取り価格はひと頃よりだいぶ下がってしまいましたが、電気自動車や劇的に価格が下がった蓄電池と組み合わせ、電力を自家消費することが今後スタンダードになってくるかもしれません。創エネ+蓄電の設備は、災害時の備えとしても有効です。

ウェルビーイングの考え方が住宅業界にも

日本の住宅の省エネ基準は欧米にはまだ及ばないのが現状ですが、少しずつ追いつこうという機運は高まりが見えてきました。さらに、その先を目指すものとして最近注目されているのは「ウェルビーイング」という考え方。幸福で、肉体的・精神的・社会的に満たされた状態を指します。SDGsの目標の3つ目に「すべての人に健康と福祉を」という項目があることからもオフィスや公共のビル等で広まってきていました。その中で、コロナ禍で自宅にとどまる時間が長くなったことから、住宅の質をウェルビーイングの視点で向上させようという動きが、業界に浸透してきています。

 

戸建て住宅を体と心の健康を育める場所に

アメリカでは2014年にウェルビーイングの認証制度が誕生。客観的に数値化する認証制度を、日本では、ホテルなどで取得したところが出ているようです。認証の基準は「空気、水、栄養、光、運動、温熱快適性、音、材料、こころ、コミュニティ」の10項目。空気の質や温熱快適性といった体の健康を守る性能の他に、アクティブでいられる環境やストレスの少ない環境、社会とのつながりを感じられる環境といった心の健康に関連する切り口で、建物が評価されます。これは、そっくり住宅にも置き換えることができるでしょう。清浄な室内空気環境、適切な明るさや温熱快適性、防音性。ストレスの少ない間取りといったことで住宅でもウェルビーイングを実現可能です。

 

住宅購入のものさしを増やしいい家を買おう

これからの住まいは、省エネ性の高さは必須。そのうえで、さらに質の高い住環境を実現する意味でのウェルビーイングを組み合わせたら、きっと最高の住まいになるはず。気候危機と隣合わせの、人生100年時代。分譲住宅を選ぶ際には、地球環境も含め高い幸福度を持続させていくためのキーワードに注目して、選んでみてはいかがでしょうか。

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