一軒家の固定資産税をシミュレーション!
計算方法や軽減措置についても解説
新築一戸建てを購入する際、気になる問題のひとつが、固定資産税の負担です。
固定資産税は不動産の所有者が毎年支払う税金であり、新築一戸建てでも課税されることになりますが、果たしてどのくらいの金額がかかるのかイメージしにくいという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一戸建ての固定資産税がどの程度になるのか、計算方法や軽減制度などについても詳しく解説しつつ、実際にシミュレーションしていきたいと思います。
新築一戸建ての固定資産税平均額も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 固定資産税とは?その平均額

固定資産税とは、冒頭でもご紹介したように土地や建物などの不動産、または事業用の備品などといった「固定資産」に対して課される税金です。 毎年1月1日時点での固定資産の所有者が納税義務を負い、その固定資産が所在する自治体へ納税する地方税の一種になります。 新築一戸建てを購入した際にも、例えば1月2日以降に購入した場合では翌年から固定資産税を支払うことになりますが、その固定資産税の平均額は、約10万円〜15万円と言われています。 税額は場所や土地の広さ、建物の構造などによっても大きく異なるので、目安として覚えておくといいでしょう。
1-1. 固定資産税の計算に必要な要素
固定資産税の計算では、以下の要素が必要になります。
1. |
建物の構造、広さ、設備 建物の固定資産税を計算する際には、「再建築費」と呼ばれる建物を再建築する場合に掛かる建築費などが考慮されるため、建物の構造や広さ、設備といった要素も重要になります。 建築材やキッチン・バスなどの設備も考慮の対象となるため、広さが同じであっても固定資産税額は異なります。 |
2. |
地価 土地の固定資産税は、地価や路線価によっても左右されます。その土地の価値が上がれば、固定資産税の額も上がる可能性があります。 |
3. |
税率 固定資産税の税率は、基本は1.4%です。ただし、市町村の判断によって異なる税率を課すこともできます。 |
1-2. 都市計画税もかかる?
その建物・土地が所在している地域が「市街地区域」にあたる場合には、都市計画事業や土地区画整理事業などの財源とすることを目的とした市町村(東京23区では都)税である「都市計画税」も固定資産税と併せて納税する必要があります。
都市計画税は、以下のように計算できます。
都市計画税 = 固定資産税評価額(課税標準額)× 0.3%(税率)
税率は0.3%となっていますが、これは上限額であり、自治体によっても異なる場合があります。
2. 固定資産税をシミュレーションするときの手順
固定資産税は様々な要素によって決められますが、ある程度の要素が分かれば、事前にどの程度かかるのかシミュレーションすることも可能でしょう。この手順を知っておくことで、実際の固定資産税額に間違いがないかなどを確認する際にも役立つかもしれません。
固定資産税のシミュレーションは、以下の手順で行います。
2-1. STEP1:固定資産税評価額を確認する
まずは、固定資産税額算出の基準となる固定資産税評価額を確認します。
固定資産税評価額は毎年5〜6月頃に役所から届く納税通知書に同封されている課税明細書の「価格」という欄に記載されています。
それ以外にも、市区町村の役所や都税事務所などで閲覧申請を行うことで確認できる固定資産課税台帳や、役所・都税事務所で取得できる固定資産税評価証明書などでも確認が可能ですね。
また、納税通知書が届く前に大まかな算出だけでもしておきたいという方は、新築一戸建てであれば、建物は建築価格の約60%、土地は公示価格の約70%が評価額の目安とされているため、これらを参考に評価額を概算してシミュレーションしてみても良いでしょう。
2-2. STEP2:建物部分の固定資産税を計算
戸建て住宅を購入した場合、固定資産税は建物と土地にそれぞれかかります。
まずは、建物部分の固定資産税を計算していきましょう。
建物の固定資産税の計算式は、以下になります。
建物の固定資産税 = 建物の固定資産税評価額(課税標準額)× 税率
例えば税率を基本となる1.4%と置くと、建物部分の固定資産税評価額が1,000万円だとしたら「1,000万円×1.4%=約14万円」といった計算になります。
2-3. STEP3:土地部分の固定資産税を計算
次に、土地部分の固定資産税を計算します。 基本的な計算式は、以下の通りです。
土地の固定資産税 = 土地の固定資産税評価額(課税標準額)× 税率
こちらも基本の税率は1.4%になりますので、土地部分の固定資産税評価額が1,500万円であれば、「1,500万円×1.4%=約21万円」と算出できます。
3. 戸建て住宅の減税制度
基本の固定資産税の算出方法はご紹介しましたが、実際の戸建て住宅では、固定資産税を軽減する様々な制度を利用できるケースがあります。
主な軽減制度について、適用条件と軽減措置の内容を見ていきましょう。
3-1. 新築一戸建てでも利用できる減税制度

まずは、新築一戸建て住宅でも利用できる2つの軽減制度です。
新築住宅の軽減措置
新築住宅の軽減措置では、新築された住宅に対して以下の内容で固定資産税が減税されます。
適用住宅 | 軽減措置の内容 |
床面積が50~280㎡の | 一般住宅 固定資産税が新築から3年間1/2に減額 |
床面積が50~280㎡の | 長期優良住宅(※) 固定資産税が新築から5年間1/2に減額 |
※長期にわたり良好な状態で使用できるよう、劣化対策や耐震性が講じられた住宅
こちらは、2026年3月31日までに新築された住宅を対象(2025年3月時点の要件)としています。
土地(住宅用地)の特例措置
住宅用地の特例措置では、居住目的で利用している土地に対して固定資産税が軽減されます。
土地に適用される特例措置の内容は、下表のとおりです。
適用部分 | 軽減措置の内容 |
小規模住宅用地 (200㎡以下の部分) |
固定資産評価額が1/6に減額 (都市計画税でも評価額1/3に減額) |
一般住宅用地 (200㎡を超える部分) |
固定資産評価額が1/3に減額 (都市計画税でも評価額2/3に減額) |
上記のように、こちらは都市計画税に対しても適用できます。
3-2. リフォームした場合に利用できる減税制度
住宅用地・新築住宅の軽減措置以外にも、すでに暮らす戸建て住宅で様々なリフォームを行った場合、条件を満たすと利用できる減税制度がいくつかあります。
主なリフォーム減税制度は、以下のようなものです。
● バリアフリー改修工事による減税
適用条件 | 軽減措置の内容 |
築10年以上が経過している家屋で、一定のバリアフリーリフォームを行った場合 | 工事翌年の固定資産税から1/3が減額 |
● 省エネ改修工事による減税
適用条件 | 軽減措置の内容 |
平成26年4月1日以前に建築されている家屋で、一定の省エネリフォームを行った場合 | 工事翌年の固定資産税から1/3が減額 |
● 耐震改修工事による減税
適用条件 | 軽減措置の内容 |
昭和57年以前から所在している家屋で、現行の耐震基準に適合する耐震リフォームを行った場合 | 工事翌年の固定資産税が1/2に減額 |
● 長期優良住宅リフォームによる減税
適用条件 | 軽減措置の内容 |
リフォームにより、長期優良住宅の認定を受けた場合\ | 認定翌年の固定資産税から2/3が減額 |
(参考:国土交通省|住宅リフォームにおける減税制度について)
4. 一戸建て住宅の固定資産税シミュレーション

それでは、軽減措置も踏まえて、新築、中古それぞれの一戸建て住宅の固定資産税を、併せて納税することとなる都市計画税とともに、シミュレーションしてみましょう。
4-1. 【新築】一戸建て住宅のシミュレーション
まずは、下記のような新築一戸建て住宅の固定資産税額を算出してみます。
床面積:100㎡
土地の固定資産税評価額:2,000万円
建物の固定資産税評価額:1,000万円
税率:1.4%
都市計画税率:0.3%
土地の固定資産税・都市計画税には「小規模住宅用地の特例」が適用できるため、下記のように算出されます。
都市計画税 = 2,000万円×1/3×0.3%=約2万円
建物の固定資産税では新築住宅の軽減措置として「3年間1/2に減額」が適用できるので、下記のように算出されます。
都市計画税 = 1,000万円×0.3%=約3万円
よってこの新築一戸建ての例の場合、固定資産税・都市計画税の合計は以下のように算出されます。
合計:約166,000円
4-2. 【中古】一戸建て住宅のシミュレーション
続いては、下記のような中古一戸建て住宅の固定資産税額を算出してみます。
物件所在地:東京都
築年数:10年
床面積:90㎡
土地の固定資産税評価額:1,800万円
建物の固定資産税評価額:900万円
税率:1.4%
都市計画税率:0.3%
土地には「小規模住宅用地の特例」が適用されるため、下記のように算出されます。
都市計画税 = 1,800万円×1/3×0.3%=約1万8,000円
中古物件の場合、建物の固定資産税額は税率と建物減価補正率をかけて算出します。建物減価補正率は各自治体で決められているので確認しておきましょう。
ここでは、東京都のケースで計算します。東京都では築年数10年の場合、補正率は0.5となります。
よって、この中古一戸建ての例の場合、固定資産税・都市計画税の合計は以下のように算出されます。
合計:約136,500円
5. 新築住宅の固定資産税で覚えておきたいポイント

住宅購入時の固定資産税支払いでは、ご紹介したような基本的な計算方法や軽減措置の他にも覚えておきたいポイントがあります。
5-1. 支払いの時期や方法
固定資産税は、毎年大体4〜5月に自治体から納税通知書が発送されます。
通知書が届いたら実際に納税することになりますが、基本的には年間の税額を4期分に分け、例えば東京都であれば6月、9月、12月、2月の4回に分割して支払います。
1年分を一括で納めることも可能です。
支払の方法も、
● 金融機関や役所窓口、コンビニでの現金払い
● 口座振替
● クレジットカード
● ペイジー
● 電子マネー
● PayPayなどのスマートフォン決済アプリ
対応できる支払い方法は自治体によっても異なります など様々な方法が利用できます。
対応できる支払い方法は自治体によっても異なりますので、確認して利用しやすい方法で納付しましょう。
5-2. 固定資産税はずっと一定ではない
土地・家屋の評価額は、。
評価替えは価格の変化を反映するために3年に1度行われる「評価替え」によって見直されます行われており、直近では令和6年度に行われました。固定資産税評価額が変われば固定資産税額も変わるので、税額を算出する前に確認しておきましょう。
基本的には、建物の固定資産評価額は経年劣化が考慮され減少していくため、年々固定資産税額も減少していくことになるでしょう。
5-3. 軽減措置を受けたい場合は申請しよう
新築住宅の軽減措置や住宅用地の軽減措置などを利用したい場合は、自動的に適用されるわけではなく、各自治体への申請が必要です。
新築住宅の軽減措置の場合は、自治体にもよりますが一般住宅では申請不要なケースも多いでしょう。長期優良住宅であれば長期優良住宅の認定を証明する必要があるため、長期優良住宅の認定書の写しとともに固定資産税減額申告書(長期優良住宅用)を提出しましょう。
住宅用地の軽減措置では、こちらも同様に住宅用地になってから、つまり新築・購入から翌年の1月31日までに住宅用地等申告書を自治体に提出する必要があります。
5-4. 滞納してしまうと延滞金が発生する
固定資産税を滞納してしまうと、延滞金が発生します。
延滞税の割合は年度ごとに定められ、令和7年の場合は納期限の翌日から1か月まで「2.4%」、それ以後は「8.7%」です。
納期限の1か月後を境に利息が高くなるので、できるだけ早めに納めるようにしましょう。なお、滞納したまま放置しておくと、財産を差し押さえられる可能性もあります。
まとめ
今回は、固定資産税がどれくらいかかるのかをシミュレーションしながら、固定資産税の計算方法や軽減措置、覚えておきたいポイントなどを詳しくご紹介しました。
固定資産税額が事前に大まかでもシミュレーションできると、実際に納税することになった場合にも事前にしっかりと準備ができるでしょう。
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