暮らしのコラム

2025年4月17日

新築一戸建てを購入する際、気になるのが固定資産税です。
固定資産税は土地や住宅を所有していると毎年支払うことになる税金のため、家計にとって負担となることもあるでしょう。

できれば少しでも減税したい固定資産税ですが、実は固定資産税には、新築一戸建ての場合など、条件によって利用できる減税制度があり、活用することで税金の負担を減らすことが可能です。
本記事では、新築一戸建ての固定資産税について、利用できる減税制度の申請方法やポイントなどを詳しく紹介していきます。

1. 固定資産税とは?

固定資産税とは、「毎年1月1日の時点で土地や住宅などの固定資産を所有する人」に課される税金です。土地と建物どちらもこの固定資産にあたるため、それぞれに課税されることになりますね。

その固定資産が所在する市町村などの自治体(東京都23区内であれば都税として)に市町村税として納税する地方税で、公共施設の整備や行政サービスなど、様々な用途で使用されています。

1-1. 固定資産税額の算出方法

固定資産税額は、土地・建物どちらも基本的に以下のような式で算出が可能です。

固定資産税額 = 固定資産税評価額(課税標準額)× 税率


この固定資産税評価額とは、ただ単に建物の取得価格などが基準となるわけではありません。
土地であれば国で定めている路線価(道路に面した住宅地の1㎡あたりの価格)を基準にその土地の面積などから算出されたもの、建物であればその建物の価値となる再建築価格(その建物を再建築した場合に掛かる費用)を基準に経年劣化分を考慮して算出されたものになります。

1-2. 固定資産税額の目安

固定資産税の税率は自治体によって異なることもありますが、標準は1.4%となっています。
また、固定資産税評価額は一般的に土地の場合で地価公示価格の70%程度、新築戸建ての場合は建築価格の約60%が目安だと言われています。

ここから前述の計算式で考えてみると、例えば2,000万円で購入した土地があり、固定資産税評価額が70%の1,400万円であれば、固定資産税は税率1.4%の場合で19.6万円が目安の金額となりますね。
建物の場合でも、例えば建築費が1,000万円の新築戸建てで、固定資産税評価額が60%の600万円だとすると、税率1.4%をかけて固定資産税額の目安は8.4万円ほどになります。

ざっくりと事前に目安額を知りたい方は、このように購入時の価格などから概算してみると良いでしょう。

1-3. 固定資産税の支払い方法

固定資産税は1月1日時点の資産所有者に対して4月〜6月に納税通知書が届きます。
一括支払いも可能ではありますが、6月・9月・12月・2月といったような4期に分割しての納付が一般的です。
納税通知書に同封されている納付書によって支払いができ、以下のような支払い方法が利用できます。

● 現金
● 口座振替
● クレジットカード
● 電子マネー
● PayPayなどのスマートフォン決済アプリ
● ペイジー


都税事務所や金融機関の窓口、コンビニなどでの現金支払いはもちろん、事前に口座振替の手続きを済ませておけば口座から自動引き落としも可能です。
残高不足に注意すれば、支払い忘れるのを防げるため便利な方法です。

自治体によっては専用サイトでクレジットカード決済ができます。カード会社によってはポイント還元されるのがメリットですが、最初の1万円で37円、以降1万円につき75円の手数料が発生します。
また、コンビニで固定資産税を支払う際に電子マネーを使える自治体もあります。ただし、電子マネーで支払えるのは納付書1枚につき30万円までのため注意が必要です。

一部の自治体では納付書のバーコードをアプリでスキャンすることで、PayPayやLINE Payなどのスマートフォン決済アプリでの決済も可能です。
納付書にペイジーマークがついている場合は、ペイジー支払いも利用できますね。
こちらも対応しているのは、一部の自治体のみのため、事前に確認しておくと良いでしょう。

2. 新築一戸建ての固定資産税は減税できる!

固定資産税の基本を理解したら、減税措置についても知っておき、有効に活用していきましょう。
まず、新築一戸建て住宅を購入した場合には、主に2つの減税措置が適用できます。

2-1. 住宅用地の特例

まず、住宅用地の特例です。
こちらは居住用地の税負担を軽くするために設けられている特例措置で、戸建て住宅をはじめとする住宅用に利用される土地の固定資産税が減税されるというものです。対象となるのは、住宅の総床面積の10倍までの土地になります。

減税の内容としては、小規模住宅用地(200㎡以下)の部分で課税標準額が固定資産税評価額の1/6に、一般住宅用地(200㎡を超える部分)で固定資産税評価額の1/3に減額されるというものです。減額した価格を課税標準額として扱い、実際の固定資産税を計算します。
例えば評価額1,800万円・300㎡の土地に適用する場合には、以下のようになります。

● 200㎡の部分:1,200万円の1/6で評価額が200万円
● 残り100㎡の部分:600万円の1/3で評価額が200万円

   =土地の評価額(課税標準額)は全体で400万円になる

このように大幅に課税標準額が減額できる特例ですが、減税要件の注意点として、併用住宅の場合は住宅として利用している部分の割合で住宅用地の面積を決めるというルールがあります。例えば住宅の一部を店舗などに利用している場合は、併用住宅と扱われますね。

またこちらの特例では、土地を有する地域によっては固定資産税と併せて納税することになる都市計画税でも、200㎡以下の部分は1/3、200㎡を超える部分は2/3に課税標準額が減税されます。

2-2. 2025年も適用可能!新築住宅の軽減措置

新築一戸建ての建物に対して活用できるのが、新築住宅の軽減措置です。
以前まで「2024年3月31日までに新築された住宅」が対象とされていましたが、2024年の税制改正により2026年3月31日まで適用期間が延長されたため、2025年現在も適用が可能です。

こちらは、一戸建てでは床面積50㎡以上280㎡以下であり、併用住宅の場合居住部分の床面積が2分の1以上を占めるという要件を満たしていれば、新築から3年間は固定資産税が2分の1に軽減されるという措置になります。
一般的な新築一戸建ての住宅であれば、居住面積は50〜280㎡の範囲内に含まれるでしょう。

一般住宅では3年間ですが、耐震性や耐久性などに優れた長期優良住宅に認定されれば、5年間は減税措置が適用されます。

3. その他の減税制度

新築一戸建ての住宅で利用できる固定資産税の減税措置は前章でご紹介した2つになりますが、固定資産税を減税する制度には他にも様々なものがあります。

3-1. 省エネ改修促進税制

省エネ改修促進税制は、住宅に省エネ改修工事を行った場合に固定資産税が減額される制度です。
2025年3月時点では、2022(令和4)年4月1日から2026(令和8)年3月31日までに工事を行った住宅が対象となっています。

省エネ改修工事には、以下の工事が含まれます。

● 二重サッシ化、複層ガラス化などの窓の断熱改修工事(必須)
● 床の断熱工事、天井の断熱工事、壁の断熱工事
● 太陽光発電装置の設置工事
● 高効率空調機の設置工事、高効率給湯器の設置工事、太陽熱利用システムの設置工事

窓の断熱改修工事は省エネ改修促進税制の適用を受けるために必須の工事です。
窓の断熱改修工事に加えて、床の断熱工事や太陽光発電装置の設置工事などをあわせて行う場合も、制度を適用できます。

省エネ改修促進税制の減税内容
省エネ改修促進税制を利用すると、省エネ改修工事を行った翌年分(工事完了日が1月1日の場合にはその年度分)の固定資産税額が1/3に減額されます。
ただし、減額の対象となるのはその住宅の120㎡の床面積相当分までになります。


省エネ改修促進税制の減税要件
省エネ改修促進税制を利用するための要件は以下になります。


● 平成26年4月1日以前から居住用とされている住宅であること
● 窓の断熱改修工事を含む工事により、各部位が現行の省エネ基準に適合すること
● 床面積が50㎡以上280㎡以下であること
● 断熱改修の工事費が60万円超、もしくは断熱改修の工事費が50万円超で、太陽光発電装置、高効率空調機、高効率給湯器、太陽熱利用システムの設置にかかる工事費と合わせて60万円超であること
● 併用住宅の場合は、居住部分の床面積が1/2以上であること

また、後に紹介する耐震改修促進税制とは重複して適用することができませんので注意しましょう。

3-2. バリアフリー改修促進税制

バリアフリー改修促進税制は、バリアフリー改修工事を行った場合に固定資産税を減額できる制度です。
2025年3月時点では、2026(令和8)年3月31日までに工事を行った住宅が対象となっています。

該当する工事の例としては、
● 介助用車いすの移動のための出入り口・通路などの拡張
● 階段の撤去と設置・改良で勾配を緩和する工事
● 浴室・トイレなどのバリアフリー改良工事
● 手すりの設置や段差の解消
などが挙げられます。

バリアフリー改修促進税制の減税内容
要件を満たすと、バリアフリー改修工事を行った翌年分の固定資産税が1/3に減額されます。

バリアフリー改修促進税制の減税要件
バリアフリー改修促進税制を利用するための要件は以下になります。


● 新築されてから10年以上が経過していること
● 65歳以上の者もしくは要介護・要支援認定を受けている者、または障害を持っている者のいずれかが居住していること
● 賃貸住宅ではないこと
● 補助金等を差し引いて、バリアフリー改修工事に要した費用が税込50万円を超えていること
● 改修後の床面積が50㎡~280㎡であること
● 併用住宅の場合は、居住部分の床面積が1/2以上であること

3-3. 耐震改修促進税制

耐震改修促進税制は、昭和57年1月1日以前から所在する住宅に対して耐震改修工事を行った場合に固定資産税が減額される制度です。
こちらも2025年3月時点では、2026(令和8)年3月31日までに工事を行った住宅が対象となっています。

耐震改修工事とは、主に基礎や壁の耐震補強工事を指します。現行の耐震基準に適合する工事でなければ、制度の適用はできません。

耐震改修促進税制の減税内容
耐震改修促進税制を適用すると、耐震改修工事を行った家屋について、翌年分の固定資産税を120㎡相当分までに限り1/2に減額できます。

耐震改修促進税制の減税要件
耐震改修促進税制を利用するための要件は以下になります。

● 昭和57年1月1日以前から所在する家屋であること
● 改修により現行の耐震基準に適合すること
● 改修工事費が税込50万円を超えていること
● 併用住宅の場合は、居住部分の床面積が1/2以上であること

3-4. 長期優良住宅化リフォーム

長期優良住宅化リフォームによる減税措置は、一定の耐震改修工事または省エネ改修工事により、長期優良住宅の認定を取得した場合に利用できる制度です。
こちらも、2025年3月時点での減税の対象は2026(令和8)年3月31日までに工事を行った住宅とされています。

対象となる改修工事は、耐震改修では前述の耐震改修促進税制と同様、旧耐震基準の住宅を現行の耐震基準に適合させるための改修工事が挙げられます。
省エネ改修では.窓の断熱改修工事を必須とし、その他にも床や壁、天井の断熱改修により現行の省エネ基準を満たすものや、高効率空調機・給湯器や太陽熱利用システム・太陽光発電設備の設置工事などが含まれますね。

長期優良住宅化リフォームの減税内容
長期優良住宅化リフォームによる減税措置を活用すると、長期優良住宅の認定を取得した翌年分の固定資産税が2/3減額されます。減額の対象は、住戸の床面積が120㎡までの部分です。

長期優良住宅化リフォームの減税要件
長期優良住宅化リフォームによる減税を行うための要件は以下になります。

● 増改築により長期優良住宅の認定を取得していること
● 床面積が50〜280㎡であること
● 併用住宅の場合は、居住部分の床面積が1/2以上であること
● 耐震改修を行っている場合、昭和57年1月1日以前から所在する家屋であること
● 耐震改修工事費が税込50万円を超えていること 省エネ改修を行っている場合、平成26年4月1日以前から所在する家屋であり、賃貸住宅ではないこと
● 補助金等を差し引いて、省エネ改修にかかった費用が税込60万円を超えていること

3-5. 農地への転用

土地の固定資産税を減税するために利用できるのが、農地への転用による減額です。
もし利用していない住宅や土地がある場合には、更地にし、農地へ転用を考えても良いでしょう。

農地への転用の減税内容
一般農地(市街化区域内や転用許可を受けた土地でない農地)の固定資産税は、「固定資産税評価額×税率」と「前年度の課税標準額×負担調整率×税率」のうち少ない額が適用されるのが特徴です。
負担調整率は前年度の課税標準額をその年の評価額で割り、その負担水準に応じて1.025〜1.1の間で決まるものです。
この負担調整率が適用されることで、転用の翌年は固定資産税が軽減されるということです。

また、農地の評価額は一般的に宅地よりも低いため、農地への転用によって単純に固定資産税が安くなる傾向にあるということも関係しますね。

農地への転用の減税要件
農地への転用で減税するための要件は以下になります。


● その土地が実際に作物を栽培している、あるいはいつでも耕作を始められる状況にあること

そのため、固定資産税の減額のために、栽培をしていない土地や耕作できる状況にない土地を農地として扱うことはできません。例えば、空き家を解体して更地にするだけでは農地として認められないのです。

4. 減税制度の申請方法

減税制度は要件を満たしているからといって、勝手に適用されるものではありません。
自治体への手続きを行う必要がありますので、忘れずに行いましょう。

ここでは、新築一戸建てに利用できる減税制度の詳しい申請方法をご紹介します。

4-1. 住宅用地の特例

住宅用地の特例を利用したい場合は、住宅用地になった年、つまり新築した年から翌年の1月31日までに「固定資産税の住宅用地等申告書」を、お住まいの市区町村の役所(東京23区内であれば所在区の都税事務所)に提出する必要があります。
この書類は土地の利用状況を申告するためのもので、住宅の新築や取り壊し時、また住宅用地の用途が変更された場合などに使われます。

申告書は自治体の公式サイトなどからもダウンロードできますが、自治体によって書類の名称が異なる場合があるため確認しておきましょう。

4-2. 新築住宅の軽減措置

新築住宅の軽減措置を利用したい場合には、こちらも新築した年から翌年の1月31日まで「固定資産税減額申請書」を各自治体に提出します。
しかし、東京23区内をはじめ、一般住宅であればこちらは手続きが不要になっている自治体も多くあります。
事前に自治体に申請が必要かどうか確認を取っておくと良いでしょう。

長期優良住宅の認定を受けている住宅の場合には、長期優良住宅の認定通知書の写しとともに申請が必須となりますので、その点は注意が必要です。

5. 新築住宅の固定資産税の減税シミュレーション

それでは、もしも新築一戸建てを購入した場合に、住宅用地や新築住宅の軽減措置を利用することでどの程度減税が可能なのか、ざっくりとシミュレーションしてみましょう。
前提条件として
● 土地の固定資産税評価額→2,000万円
● 建物の固定資産税評価額→1,500万円
● 土地面積→200㎡

の一般住宅と仮定し、税率を標準税率である1.4%として考えていきます。

まず、減税措置なしの場合の固定資産税額は以下のようになります。

土地の固定資産税額:2,000万円 × 1.4% = 28万円
建物の固定資産税額:1,500万円 × 1.4% = 21万円
 →合計49万円

次に、土地と新築住宅どちらも減税措置を利用した場合です。

土地の固定資産税額:2,000万円 × 1/6 × 1.4% = 約4.67万円
建物の固定資産税額:1,500万円× 1.4% × 1/2 = 10.5万円
 →合計約15.18万円

あくまで目安として算出できる額ではありますが、この条件では合計で30万円以上固定資産税を減額できるということになりました。
大きな違いになりますので、利用できる制度は忘れずに申請をしておきましょう。

6. 固定資産税の減税で押さえておきたいポイント

固定資産税の減税措置を利用する場合は、以下の2点を押さえておきましょう。
◎ 事前に減税される要件を確認する
◎ 固定資産税に誤りがある場合は訂正する
それぞれ詳しく解説します。

6-1. 事前に減税される要件を確認する

固定資産税の減税制度は多岐に渡りますが、各制度でご紹介したように、それぞれの制度で減税内容や減税要件は大きく異なります。
改修工事などの減税措置においては適用される工事に細かな要件があることも多いため、事前に適用したい制度について減税要件を詳しく確認しておくことが大切です。

6-2. 固定資産税に誤りがある場合は訂正する

軽減措置を申請したはずなのに適用されていないなど、固定資産税に誤りがある場合は、訂正の手続きをしましょう。固定資産税の算出の基準となる固定資産税評価額は担当職員が人為的に計算するため、ミスが生じることもあります。
毎年、自治体から固定資産税納税通知書が送付されますので、納税通知書に記載された固定資産税額が正しい金額になっているか、自分で計算をして確認しておきましょう

誤りがあった場合や疑問点がある場合には、都税事務所など自治体で固定資産税を管轄している部署に相談しましょう。心配な方は、税理士など専門家への依頼を検討するのもおすすめです。

また、固定資産税の軽減措置や住宅用地の特例などについては申請を行う必要があるとご説明しましたが、もしも書類を出し忘れてしまったという場合でも、自治体によっては後から還付を受けられる可能性もあります。
申請漏れに気づいたらすぐに書類を提出し、自治体に相談してみましょう。

まとめ

今回は、特に新築一戸建て購入時に利用できる固定資産税の減税方法について詳しくご紹介しました。
固定資産税は土地と建物両方に課税され、また課税の対象となる金額も大きいため、軽減措置を活用すれば大幅な減税を行えることもあります。

減税措置についても知り、一戸建ての購入を前向きに検討している方は、ぜひポラスの分譲住宅にお任せください。
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