暮らしのコラム

2025年4月17日

新築一戸建てを購入する際、火災保険にどれだけの費用がかかるかを考えたことはありますか?
万が一に備えて生活を守るために重要な火災保険ですが、火災保険は、エリアや補償内容などによって保険料が大きく変わります。

そこで本記事では、火災保険の相場がどれくらいなのか、その金額が決まる要素やエリア別の相場、保険料を安く抑えるコツについても解説していきます。
火災保険について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 新築一戸建てに火災保険は必要?

火災はもちろん、水害や落雷など様々な災害が起きた際に補償してくれる火災保険。
加入は法的に義務付けられているというわけではありませんが、自身が火災を起こさなくても隣家など他人の火災からのもらい火のリスクもありますので、新築一戸建てを購入するときには加入しておくことをおすすめします

もらい火では「失火責任法」という法律により、重大な過失がない場合には火災を起こした失火者に損害賠償請求をすることができなくなっているため、自ら火災保険に入ることで備えておくしかありません。
また、そもそも住宅ローンを利用する場合では火災保険の加入が条件になっていることも多いため、ほとんど必須といっても良いでしょう。

1-1. 保険にはいつ加入するべき?

それでは、住宅を購入した場合には、どのタイミングで火災保険に加入するのが良いのでしょうか。

一般的には、火災保険は引き渡し日を補償開始日に設定することが多くなっています。
理由としては、引き渡し日に補償が開始されていないと、引き渡し当日になにかしらのトラブルで損害を受けてしまった場合に補償を受けられないからです。

引き渡し当日から補償を受けるためには、遅くても引き渡し日の2週間前には火災保険に申し込んでおくようにしましょう。
申し込み手続きから補償開始までには1〜2週間ほどかかるので、早めの申し込みを心がけましょう。

1-2. 火災保険が補償できる範囲

「火災保険」というと火災のみを補償する保険というイメージを浮かべる方もいるかもしれませんが、火災保険は火災以外にも様々なリスクに備えられるもので、そういった意味でも住まいを守る総合的な保険としてぜひ入っておきたいものです。
火災保険で補償できるリスクは、主に以下のようなものです。

補償できるもの 補償されないもの
● 火災
● 落雷
● 破裂、爆発
● 水災、風災、雹災(ひょうさい)、雪災
● 水濡れ
● 盗難
● 突発的な事故による破損・汚損
● 外部からの落下・飛来・衝突
● 地震
● 地震による津波
契約する保険やプランにもよりますが、上記のような様々な災害時の補償を受けることができます。また、建物だけでなく家財を補償の対象にできるプランなどもあります。
しかし、火災保険では地震による火災や、地震が原因の津波被害に関しては補償が付いていません。
地震に対する補償を受けたい場合は、地震保険を火災保険に付帯することができますので利用しましょう。地震保険単体で加入することはできません。

2. 火災保険料を決める要素

火災保険の重要性を認識した上で、次に知りたいのは、火災保険料はどれくらいかかるのかということではないでしょうか。
火災保険は様々な要素によって保険料が算出されるため、同じ火災保険でもすべての人が同じ金額になるというわけではなく、その住宅や補償内容によって異なります。

火災保険料は、主に次の5つの要素から決められます。

2-1. 建物の構造

まず、建物の構造です。 その建物の耐火性など、被害を受けやすい構造かどうかで以下の3つに分けられます。

構造 区分の内容 保険料
H構造(非耐火構造) 木造住宅など、一戸建てでT構造以外の建物
T構造(耐火構造) 柱がコンクリート造や鉄骨造の一戸建て
そうでない場合でも、耐火建築物・耐火構造建築物・準耐火建築物・特定避難時間倒壊等防止建築、または省令準耐火建物にあたるもの
M構造(コンクリート造のマンションなど) マンションやアパートの共同住宅で、柱がコンクリート造の建物
上記のように、耐火性が高く被害が抑えやすい構造の方が保険料は安くなります。
ちなみに、T構造(耐火構造)に含まれる耐火構造建築物、準耐火建築物、省令準耐火建物とは、以下のような構造を指します。

■ 耐火構造建築物
耐火構造建築物とは、建築基準法においてもっとも耐火性能が高いグレードの建物のことです。
鉄筋コンクリート造レベルの高い防火性能が求められます。

■ 準耐火建築物
準耐火建築物とは、建築基準法の準耐火構造基準をクリアしている建物のことです。
耐火構造建築物より基準が緩いため、適切な対処を施せば木造の新築一戸建てでも無理なく基準を満たせる構造です。

■ 省令準耐火建物
省令準耐火建物とは、住宅金融支援機構が運用している耐火基準をクリアしている建物のことです。おもに、フラット35などの住宅ローンを利用する条件として利用されています。

2-2. 建物の所在地

次の要素は、その建物の所在地です。
地形や過去に発生した自然災害など、土地のリスクを考慮して保険料が算出されます。

所在するエリアや地形によって自然災害のリスクが異なるため、同様の物件でも自然災害のリスクの高いエリアの方が保険料は比較的高くなる傾向にあります。

2-3. 築年数・面積

建物の面積が広ければ、火災が広がった場合にその分被害が大きくなってしまうでしょう。
そのため、面積が広いほど保険料は高くなります。

また、新築住宅の場合は関係ありませんが、設備の劣化による事故リスクなどもあり、築年数も古い方が保険料が高くなるでしょう。
保険会社によっては築年数が新しい建物に対して「築浅割引」を設けていますので、新築一戸建ての購入時に加入する場合はチェックしてみると良いですね。

2-4. 補償内容・特約

補償の内容や特約は、その保険会社によっても異なり、どんな補償内容で加入するかという保険の内容も保険料を決める大きな要素です。

また、火災保険の多くでは損害賠償責任を負った場合の「個人賠償責任補償特約」や、火災で近隣に被害を与えてしまった場合の「類焼損害補償特約」など、様々な特約を付帯することも可能です。
補償を厚くすればその分保険料も高くなりますので、必要性に応じてこういった特約をどこまで付帯するか、補償対象に家財も含めるかなどを検討しましょう。

2-5. 保険の期間と支払方法

火災保険の期間は、基本的に1年〜5年の間で選択することができます。
長期で契約すると長期割引などもあり、総支払額は割安になるでしょう。

また、支払いも月払い、年払い、一括払いといった方法から選択できます。
一括払いの方が総支払額は安くなりますが、支払い時の1回の出費が大きくなってしまうため、無理なく支払える方法を選びましょう。

2-6. 一戸建てとマンションでも火災保険料は違う?

様々な要素で決定される火災保険料ですが、実は一戸建てとマンションでも、火災保険料に差が出ます。それには、以下のような理由があります。
● 構造 マンションの場合は、M構造が適用されます。
M構造とは、鉄筋コンクリート造などのマンションに適用される構造級で、一戸建てに適用されるT構造(耐火構造)やH構造(非耐火構造)と比較して保険料が割安になります。
● 階数 高層マンションの上階の場合、洪水が起きたとしても室内に水が浸入する可能性は低くなります。
そのため、河川の近くに位置している戸建てに比べると、水災の補償を付ける必要がなく、保険料が安くなる傾向にあります。

ただし、近年ではマンションでも床上浸水が起きる場合があるので、あらゆる可能性を考慮した上で火災保険のプランを検討しましょう。

3. 【エリア別】新築一戸建ての火災保険相場

より具体的にイメージするために、ここからは、エリア別にシミュレーションした新築一戸建ての火災保険相場を見ていきましょう。 シミュレーションの条件は、以下の通りです。 ● 保険金額1,500万円
● 保険期間5年
● 家財保険なし
【東京都(千代田区)】新築一戸建て火災保険相場

A社 B社 C社 D社
T構造
(耐火構造)
49,980円 51,300円 36,940円 51,490円
H構造
(非耐火構造)
80,330円 83,850円 67,350円 81,640円


【神奈川県(横浜市)】新築一戸建て火災保険相場
A社 B社 C社 D社
T構造
(耐火構造)
56,430円 57,150円 39,570円 57,080円
H構造
(非耐火構造)
90,470円 94,950円 73,020円 91,490円


【埼玉県(さいたま市)】新築一戸建て火災保険相場
A社 B社 C社 D社
T構造
(耐火構造)
61,820円 61,950円 37,940円 61,330円
H構造
(非耐火構造)
98,130円 102,150円 68,680円 99,470円


【千葉県(千葉市)】新築一戸建て火災保険相場
A社 B社 C社 D社
T構造
(耐火構造)
55,010円 55,350円 38,220円 53,570円
H構造
(非耐火構造)
84,690円 88,800円 68,940円 84,350円

このように、エリアによって保険料は大きく変わることが分かります。今回のシミュレーションのような都道府県での違いはもちろん、細かなエリアでも保険料は異なってくるでしょう。

また、耐火構造の建物は非耐火構造と比べて、保険料が安くなるということも分かります。耐火構造の建物は防火を意識した構造であり、火災のリスクが低いとされているためです。
木造住宅でも条件を満たせば耐火構造の分類を受けられるため、うまく活用しましょう。


3-1. 地震保険を合わせた場合の相場

地震保険では、火災保険ではカバーできない地震や噴火、津波などによる損害を補償することができます。しかし、地震保険は、前述したように火災保険にセットすることでしか加入できません。
では、火災保険と地震保険を合わせた保険料はどれくらいになるのでしょうか。
ここでは、東京都の場合でシミュレーションをしてみましょう。

シミュレーションの条件は、以下の通りです。
・保険金額1500万円
・保険期間5年
・家財保険なし
・地震保険付き

地震保険ありでのT構造(耐火構造)・H構造(非耐火構造)の保険料相場

各社 T構造(耐火構造)
火災のみ 火災+地震 火災のみ 火災+地震
A社 49,980円 137,210円 80,330円 210,760円
B社 51,300円 138,530円 83,850円 214,280円
C社 36,940円 124,170円 81,640円 197,780円
D社 51,490円 138,720円 81,640円 212,070円

シミュレーションでは、地震保険にセットで加入することで、火災のみの場合と比較すると保険料は3倍近くにまでアップしました。
地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営する保険であるため、基本的に保険会社によって金額が変わることはありません

上記例の場合、耐火構造では一律87,230円、非耐火構造は一律130,430円が地震保険として加算されています。火災のリスクが低いT構造(耐火構造)は地震においてもリスクが低くなるため、このように地震保険でも耐火構造と非耐火構造の金額に差が出ます。
もちろん保険料はその分高くはなりますが、地震の多い日本では地震保険も併せて加入しておくと安心ですね。

4. 火災保険料を安く抑えるポイント

リスクに備えるため、火災保険は安ければ良いというものではありませんが、適切な補償内容でできるだけ費用を抑えたいものですよね。
ここからは、火災保険料をできるだけ安く抑えるためのポイント3点を紹介します。

4-1. 住まいに合った補償を設定する

ひとつ目は、自分の住まいに合った補償を設定することです。
例えば河川に近い住まいには水害の補償を付けるべきですが、その可能性が低い場合は補償を外すという選択肢もあります。さらに、周りに家や建物がない場合には、類焼損害のオプションを外しても問題ないでしょう。
このように、エリアだけでなく周辺環境も考慮した上で火災保険のプランの検討をしましょう

4-2. 家財補償額は適切に設定する

火災保険に家財保険を付帯することもできますが、家財保険自体を抑えるという方法もあります。
家具家電にはお金をかけていない人や、家の中のものが少ない人は高額な保険料の家財保険は無駄になってしまいます。
家財保険の金額は自分で設定できるため、一度家具家電などの総額を計算してみましょう。

4-3. 各社の割引を利用する

契約期間による長期割引や築浅割引の他にも、条件を満たすと利用できる保険料の割引制度が設けられていることもあります。

例えば保険証券のペーパーレスによる割引や、同じ会社で自動車保険・医療保険に入っている場合に利用できる割引など、保険会社によって様々な割引があります。
対象となる割引がある場合には、利用して保険料を抑えましょう。

4-4. 比較検討する

火災保険は様々な保険会社が提供しており、どれを選べばよいか分からないと迷うこともあるでしょう。

会社によって保障や特約の内容はもちろん、価格や割引制度も異なるため、ご家庭のニーズに合った保険をできるだけ保険料を抑えて利用できるように、複数の保険会社から見積もりを取るなどして、しっかりと比較検討することが非常に重要です。

5. ポラスの分譲住宅は火災・震災でも安心!

災害のリスクに備えるために重要な火災保険ですが、より安心して豊かな生活を送るためにも、保険料を抑えるという意味でも、重要なのが災害に強い住宅を選ぶことです。

安心・安全なマイホームを手に入れたいという方は、ポラスの分譲住宅にお任せください。
ポラスの分譲住宅では、オリジナリティ溢れるデザインと安全な耐震性を両立させた住宅づくりにこだわり、過去の震災を忠実に再現した3Dシミュレーションにより地震の負荷を細やかに分析し、1邸ごとに高精度での検証を行っています。

それにより、注文住宅のようにそれぞれの住まいを実現できる「邸別設計」による個性のあるデザインと高い耐震性を兼ね備えた分譲住宅をご提供しております。

また、下請けの業者に任せるのではなく、すべての工程において自社で責任をもって管理・チェックする一貫施工体制をとっておりますので、ご購入後のアフターサービスまで安心してご利用いただけます。
安全性と快適性にこだわりぬかれたポラスの分譲住宅で、ぜひ理想の暮らしを叶えてみてくださいね。


まとめ

今回は、戸建て住宅の購入時に加入すべき火災保険について、その相場や保険料が決まる要素、そして保険料を抑えるコツまで詳しく解説しました。 火災保険はさまざまな災害やトラブルに対して補償をしてくれますが、必要のない補償をつけてしまい保険料が高くなってしまう、ということもあり得ます。 比較しながら、自分のニーズに合った商品を検討しましょう。

安全性の高い住宅をお探しの方は、ポラスの分譲住宅公式ウェブサイトをご確認ください。
ポラスの分譲住宅は、実用性とデザイン性を兼ね備えた住宅で皆様の新たな生活をサポートさせていただきます。

用地募集
☆新着物件 物件を探す
このページのトップへ戻る