2024年のトレンドワードは「断熱新時代」
快適で健康に暮らせる高性能住宅が今後の主流に
これからは、高断熱の住宅が当たり前の時代に

リクルートの住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターが発表した、2024年の住まいのトレンドキーワードは「断熱新時代」。これまでも、住宅分野では高気密・高断熱、省エネといった性能が重視されてきましたが、さらにもう一歩進んで、断熱の性能が私たちの生活全般に大きく影響してくる時代がやってくることになりそうです。
以前は、「高気密・高断熱の家」というと、非常に高額でよほどこだわりの強い人の特別な住まい、北海道や東北など寒さの厳しい地域の特殊な仕様という位置づけでした。しかし、脱炭素化が世界的な課題となった現在、日本でも建物の高性能化は急速に進んで、これからの家づくりでは標準となってきています。
建物の断熱性については、住宅性能表示制度で等級4(1999年に設定された次世代省エネ基準レベル)の上に、2022年4月、等級5(ZEH水準)を新設。「ZEH」とは、「ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、家庭で使用するエネルギーを太陽光発電などでまかなえる性能の住まいを意味します。
また同年10月には等級6、7が施行されました。等級6は一次消費エネルギーを約30%削減、等級7は約40%削減するレベルで、無暖房でも快適に過ごせるというもの。
国は、2025年から新築住宅の断熱等級4以上、2030年までには断熱等級5以上を義務化する方針を打ち出しており、今後、ZEH基準が当たり前になることが想定されます。
実際に消費者サイドで「断熱」「省エネ」のニーズが高まってきており、分譲住宅でも断熱等級5の物件は珍しくなくなってきています。もはや高断熱仕様は標準と考えてもよいかもしれません。
高性能住宅には経済面や健康面で大きなメリットがあります
2024年4月からは、「消費者が建築物を購入・賃借する際に、省エネ性能の把握や比較ができるようにする制度」として、省エネ性能表示制度が開始されました。エネルギー消費性能や断熱性能、年間にかかる光熱費の目安が物件サイト等で記載・表示されているので、検討材料として参考にすることができます。
こうした高性能住宅のメリットとしては以下の4点が挙げられます。
・冷暖房のコストが低減できる
建物の断熱性が高いと外気からの熱の出入りが抑えられるので、冷暖房が効率よく働き、光熱費のコストも安く抑えることができます。
・ローン減税や補助金などの優遇措置がある
一定の条件を満たせば、高性能住宅の建築や購入に対して、国や自治体などから補助金が支給されたり、ローン減税などの優遇措置を受けることができます。
・結露やカビを抑えて長持ちする住まいに
窓や床・壁・天井の断熱性が高いと、結露やその湿気によるカビ、腐朽菌などの発生を抑えることができます。衛生的で建材もの耐久性も高まります。
・健康的に暮らせる
室内の気温差で生じる血圧の急な昇降によるヒートショック、夏場の熱中症などのリスクを低減できます。
高性能住宅がもたらす経済面や健康面のメリットは大きなもの。一生住む家は、そんな住宅を選びたいですね。
冬期の室温18度以上の住まいで健康的に過ごす

特に近年、注目されているのが、健康面におけるメリットです。WHO(世界保健機関)では、2018年11月に「住まいと健康に関するガイドライン」を発表して、寒さによる健康被害から居住者を守るための室内温度として18℃以上を強く勧告しました。小児・高齢者にはもっと暖かくすることも勧めています。
国土交通省補助事業 スマートウェルネス住宅等推進調査委員会の第7回報告会(2023年)によれば、全国の既存住宅の約9割が冬期の室温が18度未満だといいます。そして、高齢者だけでなく子どもや女性にとっても、冬に暖かく保たれた部屋で過ごす人ほど健康数値が高いという結果に。
つまり、老若男女にとって、健康な暮らしをおくろうとするなら、冬暖かく、ヒートショックや熱中症のリスクが低い高性能住宅が必要だということです。
ポラスの分譲住宅は断熱等級5相当を標準に

「環境にやさしい」「光熱費が安い」というだけでなく、健康的に暮らせるという高性能住宅のメリットが広く知られるようになるとともに、ZEH仕様の賃貸住宅、性能向上リノベ、部分的な断熱リノベなど、多様な住まいの選択肢が持てるようになってきました。また住宅だけでなく、学校や公共施設なども断熱化が進み、社会全体に「断熱新時代」が訪れているようです。
ポラスの分譲住宅でも、いち早く高品質の断熱材と複層ガラス、樹脂窓(アルミ樹脂複合サッシを採用している場合もあり)を取り入れた高断熱仕様を採用し、断熱等級5相当を標準に。±0.1mm誤差範囲と精度の高い自社プレカットによって隙間をなくし、断熱・気密性も向上。自社で育成した大工が建てることで、高品質、高性能な家に仕上がっています。
そうしたポラスの分譲住宅は、専用のwebサイト(https://www.polus.jp/)でエリアごとに物件検索することが可能。性能や仕様についてもチェックすることができます。
脱炭素や省エネなど社会課題解決のための断熱・気密から、より生活者の関心事に近い「健康」「QOL向上」のための断熱・気密へ。「断熱新時代」を生きる私たちにとって、分譲住宅においても性能は、見逃せないポイントとなっています。