暮らしのコラム

2023年10月18日

建売住宅の購入には物件価格とは別に諸費用が必要ですが、その費用がどれくらいかかるものなのか不安に思っていませんか?
購入時は、物件価格プラス諸費用で予算を組む必要がありますが、インターネットで新築一戸建て分譲サイトを見ても、諸費用までは掲載されていません。
本記事では、建売住宅を購入するうえで必要な諸費用について解説します。この記事を読むことで、物件価格とは別にどれくらいの費用がかかるかが具体的にわかりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

建売住宅の諸費用の目安はいくらになる?

建売住宅の諸費用は、一般的に物件価格の5〜10%が別途かかるといわれています。例えば、4000万円の物件であれば約200〜400万円の諸費用がかかるのです。
諸費用の額に幅があるのは、住宅ローンを組む金額や、火災保険をどの保険会社で組むかによって費用が変わるからです。
また、建売住宅は土地と新築住宅をセットで購入するので、中古戸建に比べると高価になる傾向があります。よって、諸費用も高額になるので、購入にかかる諸費用をしっかり把握することが重要です。

建売の諸費用:購入前~購入後・引き渡し後

建売住宅には主に以下の諸費用がかかります。
・仲介手数料
・印紙税(売買契約・ローン契約)
・表題登記費用・司法書士依頼料
・不動産取得税
・固定資産税・都市計画税
ここからは、各諸費用の概要や相場について解説します。


仲介手数料

仲介手数料とは、建売住宅を仲介した不動産会社に支払う手数料を指します。 不動産会社は条件の調整や各種事務を行うために買主と売主の間に仲介として入るため、それに対する手数料を支払う必要があります。
仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法で以下のとおり決められています。

物件価格 報酬額(税別)
200万円以下 物件価格の5%
200万円を超え400万円以下 物件価格の4%
400万円を超える金額 物件価格の3%

また、400万円を超える物件の速算式は「成約価格(税抜)×3%+6万円+消費税」です。
3000万円の物件の場合は105.6万円、4000万円の場合は138.6万円となります。


印紙税(売買契約・ローン契約)

印紙税とは、物件の「売買契約書」や金融機関との「金銭消費貸借契約書」に貼付する印紙にかかる税金です。
具体的には下記の税額が課されます。

記載された契約金額 印紙税額
(令和6年3月31日までの間に作成される契約書の軽減措置)
1千万円を超え5千万円以下 20,000円(10,000円)
5千万円を超え1億円以下 60,000円(30,000円)
1億円を超え5億円以下 100,000円(60,000円)

参照:国税庁(不動産売買契約書の軽減措置)

また、物件の売買契約書には、令和6年3月31日までの間に作成される契約書の軽減措置がありますが、金融機関との金銭消費貸借契約書には軽減措置はありませんので注意が必要です。


表題登記費用・司法書士依頼料

表題登記とは、新築物件などの登記記録のない不動産について初めてなされる登記のことです。登記簿のなかでも不動産の基本的な情報を表示している部分を指し、その情報を登記する際にかかるのが表題登記費用です。
表題登記費用は、一般的な建売住宅で8〜12万円程度かかります。
司法書士依頼料(登記費用)は、所有権保存登記や移転登記にかかる登録免許税と、司法書士に登記を代行してもらうための依頼料を含めた費用です。住宅ローンの借入額や物件の規模により金額が増減しますが、一般的に20〜50万円程度必要です。


不動産取得税

不動産取得税とは、建売住宅を購入した際にかかる一度きりの税金です。納税通知は、建売を取得したときから半年から1年後ほどで手元に届きます。
ただし、新築物件にかかる不動産取得税は、軽減措置の適用により発生しないこともあります。事前に費用がかかるかどうかを知りたい場合は、司法書士や税理士などの専門家に相談しましょう。


固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税とは、土地と建物を所有している人に毎年課せられる税金です。建売を購入する際は、1年分の土地の固定資産税・都市計画税を売主が支払っているため、引き渡し日を基準にして日割り精算をすることとなっています。
また、建売住宅を取得した後は、固定資産税・都市計画税を毎年納めなければいけません。物件価格4,000万円の平均的な建売住宅の場合は、1年あたり15〜20万円程度が一般的です。

建売の諸費用:住宅ローンを借りるとき

住宅ローンを利用して建売住宅を購入する場合、以下の諸費用が別途かかります。
・ローン保証料・団体信用保険料
・融資事務手数料
・火災保険・地震保険
住宅ローンを借りるときにかかる各諸費用の概要や相場を見ていきましょう。


ローン保証料・団体信用保険料

ローン保証料とは、住宅ローンで保証会社を利用する際にかかる手数料です。保証料は金融機関によって変わります。また、支払うタイミングも、一括支払いと分割支払があります。
一括であれば、50〜100万円程度、分割の場合は金利に0.2〜0.4%を上乗せすることが一般的です。
団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中、契約者に万が一のことがあったときに、住宅ローン残高がゼロになる保険です。この保険料は金融機関に支払う金利に含まれていることが多いため、別途支払うケースはほぼありません。
しかし、保険料を別途支払う場合もあります。それは、オプションとして三大疾病やガン特約を通常の保険に付帯する際、金利に0.2〜0.3%を上乗せするケースです。


融資事務手数料

融資事務手数料とは、住宅ローンの申込や契約にかかる手数料のことです。
都市銀行や地方銀行では2〜5万円程度、ネット銀行やフラット35では借入金額×2%程度がかかります。


火災保険・地震保険

金融機関は住宅ローンを利用する条件として、ほぼ必須で火災保険の加入を求めます。一方、地震保険の場合は任意で加入してもらうのが一般的です。
火災保険・地震保険料は、建売住宅の所在地や保険会社、補償プランによって異なります。月々払いや年単位での支払いも可能ですので、家計に合った保険を選びましょう。


4,000万円の新築一戸建てで諸費用をシミュレーション

実際に4000万円の建売住宅を購入する場合のシミュレーションを算出しました。


【前提条件】
・物件価格:4,000万円
・自己資金:100万円
・住宅ローン借入金額:3,900万円
・都市銀行にて借り入れ
・返済方式:元利均等返済、ボーナス払いなし
・返済期間:35年

諸費用名 諸費用例(税込)
仲介手数料 138.6万円
印紙税(売買契約書) 1万円(軽減措置の適用)
融資事務手数料 3.3万円
保証料(一括前払い) 80万円
印紙税(金銭消費貸借契約書) 2万円
火災保険+地震保険料 15万円(5年間の一括支払い)
表題登記費用 10万円
司法書士依頼料 30万円
固定資産税等清算金 5万円
不動産取得税 0円(軽減措置の適用により、
不動産取得税が発生しないケースで計算)
合計 284.9万円

シミュレーションの結果、諸費用の合計は284.9万円となりました。物件価格4000万円の約7.1%です。
一番多くかかる費用は仲介手数料で、次に保証料です。保証料は住宅ローンを組む金額を減らしたり、期間を短縮させることで減額できますので、諸費用を節約したい場合は検討しましょう。
また、軽減措置の適用によって不動産取得税が発生しないことは、建売住宅を購入するうえで大きなメリットです。築年数が古い住宅だと20万円以上かかることもありますので、建売住宅の購入が諸費用の節約に貢献したといえます。
※これは、あくまでシミュレーションですので、参考値としてお考えください。


建売の諸費用を安く抑えるポイント

建売住宅の諸費用をできるだけ安く抑えるポイントは大きく2つあります。
・金融機関選び
・火災保険選び


金融機関選び

金融機関選びは慎重に行いましょう。住宅ローンにかかる保証料、事務手数料は金融機関によって異なります。
適用される手数料や保証料が金融機関によって変わりますので、最適な金融機関を選ぶことができれば、諸費用を安く抑えることが可能です。住宅ローンを選ぶ際には、かならず複数の金融機関に申し込むようにしましょう。


火災保険選び

火災保険選びも諸費用において重要なポイントです。火災保険は付帯する特約によって金額が大きく変わります。
たとえば、河川に近い立地の建売住宅を購入する際は、水災に関する特約を入れるべきですが、そうでないエリアの場合は特約を省くことで費用を抑えることができます。
このように、火災保険に加入する保険会社やプランを厳選し、諸費用をできるだけ抑えるようにしましょう。火災保険も複数社に見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。


まとめ

今回は建売住宅を購入する際の諸費用について解説しました。それぞれの相場が明確になったのではないでしょうか。
建売住宅を購入する際には、手数料や税金など支払う対象が物件以外にも多くあるため、物件価格だけでなく、諸費用を含めた総額で検討する必要があります。
建売住宅を購入する際は多くの物件を比較し、不動産会社を選ぶことも重要です。物件ごとの諸費用が気になる場合は、それぞれの不動産会社にシミュレーションをしてもらい、余裕のある資金計画を立てるようにしましょう。

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