住宅性能表示制度とは?
仕組みとポイントを解説
一戸建て住宅の購入時には、住宅性能表示制度が重要になることをご存知でしょうか。
2005年に国土交通省が行った「住宅性能表示制度アンケート」によると、
約50%の方は住宅性能表示制度について詳しく理解されていません。
住宅性能表示制度は、住宅購入の際に大きなポイントになるので、是非とも知っておきたい制度です。
今回は住宅性能表示制度とはどんな制度なのかを徹底解説します。
最後まで読んで、後悔のない住宅購入をするために参考にしてみてください。
住宅性能表示制度とは
住宅性能表示制度とは、2000年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく制度です。
住宅性能表示制度では10分野34事項で住宅を評価されるため、細かい部分まで住宅の性能を知ることができます。
一戸建て住宅やマンションの品質性能を保証してくれる制度で、第三者機関が客観的に評価するため、
一定の水準で複数の建物を比べられるようになっています。
2000年に制定された時には、新築住宅のみに適用されていた制度ですが、
2002年の法改正で中古住宅にも住宅性能表示制度は適用されるようになりました。
住宅性能表示制度の仕組み
住宅性能表示制度は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の中に含まれている制度です。
住宅の品質確保の促進等に関する法律は別名「品確法」とも呼ばれ、以下の3つの柱で構成されています。
●新築住宅の基本構造部分の瑕疵担保責任期間を「10年間義務化」
●さまざまな住宅の性能を表示する「住宅性能表示制度」を制定する
●トラブルを迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」を整備する
品確法では、住宅の売り主が住宅基本構造部分の瑕疵担保責任期間が10年に決められています。
また住宅に関連するトラブルをスムーズに解決するために、紛争処理機関も整備する必要があると定められ、
それと併せて盛り込まれているのが、住宅性能表示制度です。
住宅性能表示制度を適用することで住宅性能が一定の基準を満たしていること知ることができ、
消費者は住宅を安心して購入できるようになっているのです。
住宅性能表示制度の活用は任意ですが住宅性能表示制度に基づいた住宅の方が、
安全性なども高く長期にわたって住みやすい住宅であるといえます。
評価の流れ
住宅性能表示制度は以下のような流れで、住宅評価が行われます。
2.設計図書の評価
3.設計住宅性能評価書の交付
4.施工段階、完成段階の評価
5.建設住宅性能評価書の交付
まず住宅の設計が決まったら、設計図書が作成されます。
設計図書をもとに第三者機関は建物の設計について基準と照らし合わせながら評価し、
設計が一定の基準をクリアしていれば設計住宅性能評価書が交付されます。
続いて建物の施工が始まりますが、施工段階から完成段階までを第三者機関が併せて評価します。
施工や完成した建物で評価基準をクリアしていれば、建設住宅性能評価書が交付されます。
このように住宅性能表示制度は、設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の2つの性能評価書に分けられています。
それぞれ交付された性能評価書には法律に基づくマークが表示されているので、住宅購入契約の際には必ず確認するようにしましょう。
建設会社が自社で評価をするのではなく、第三者機関によって性能評価が行われるので、評価基準があいまいになることはありません。
4つの評価必須項目と耐震等級
住宅性能表示制度の評価には、以下の4つの必須分野があります。
●構造の安定(耐震性)
●劣化の軽減(耐久性)
●維持管理・更新への配慮
●温熱環境
この必須分野をさらに具体的にしたものが、以下の10項目です。
住宅性能評価ではこの10項目においての等級が、それぞれ決められるようになっています。
項目 | 内容 |
地震などに対する強さ | ・地震が起きた時の倒壊しにくさへの評価 ・等級が大きいほど倒壊しにくい建物 ・等級1だったとしても建築基準法は満たしているので、倒れてしまう危険性は少ない |
火災に対する安全性 | ・住宅の中で火災が起きた時の燃え広がりにくさの評価 ・等級が高い程燃え広がりにくく安全に逃げやすい |
柱や土台などの耐久性 | ・年数がたっても土台や柱が劣化しないように、どれくらい対策されているかを評価 ・木材、コンクリート、鉄骨などを劣化させにくくする処理がされているかを見られる |
配管の清掃や補修のしやすさ、更新対策 | ・水道管、ガス管、排水管などの清掃のしやすさや補修のしやすさを評価 ・補修だけではなく、配管の交換のしやすさなども評価される |
省エネルギー対策 | ・冷房や暖房を効率的に行える建物になっているかを評価 ・冷暖房設備や、創エネルギー設備なども評価の対象になる |
シックハウス対策、換気 | ・シックハウス症候群などの対策のために、建物にどんな喚起対策がされているかを評価 ・実際に空気中のホルムアルデヒドを測定することもある |
窓の面積 | 各方角に向かって、どれくらいの大きさの窓がどれくらいの面積で付けられているのかを評価 |
遮音対策 | ・主に集合住宅での遮音性の評価 ・上階、下階、左右の部屋同士の遮音性を評価される |
高齢者や障碍者への配慮 | 高齢者や障がい者が暮らしやすいように段差などを無くせているかを評価 |
防犯対策 | ・ドアや窓などに防犯上有効な部品が取り付けられているかを評価 ・雨戸の有無なども評価の対象になる |
住宅性能評価ではこの10項目について評価がされ、住宅性能評価書に等級で記載されることになります。
各項目で等級の数字が大きいほどいい評価ですが、あくまでも全体のバランスが大切になるため、すべての項目で等級を高くする必要はありません。
ただし、地震大国である日本では、住宅性能評価の分野の中に含まれている耐震性能を重視する傾向があります。
耐震性はそれぞれの等級の基準ごとに、3つの耐震等級で分けられているので、確認しておきましょう。
等級 | 基準 |
耐震等級1 | ・建築基準法で定められている最低限の耐震性を満たす基準 ・震度6~7程度の地震でも倒壊しないが、部分損壊は発生する可能性が高い |
耐震等級2 | ・耐震等級1の1.25倍の地震が起こっても倒壊しない耐震性 ・災害時の避難所には等級2以上が必要 |
耐震等級3 | ・耐震等級1の1.5倍の地震が来ても耐えられる強度の建物 ・過去の地震では震度7の地震が起こっても住み続けられる事例もある |
日本では、今後30年以内に70%の確率で大地震が起こると推定されており、このような状況下での住宅選びはとても重要です。
耐震等級はその1つの基準となります。
特に耐震等級2以上の建物は、避難所としても利用できる安全性を備えていると言えるので、家の耐久性を高くしたい方は確認しておくとよいでしょう。
この点において、ポラスグループの建物はすべて耐震等級3相当を誇り、高い安全基準を満たしています。
大地震が予想される日本において、ポラスが提供するような、耐震等級3相当の住宅は安心できるでしょう。
住宅性能評価の取得が役立つことと注意点
住宅性能評価のなかでも一定の水準を満たした住宅は、さまざまな面で信頼性が高く、
国土交通省が定める基準を満たしていることになるので、劣化しにくい住宅としても証明できます。
また将来住宅を売却することになっても、想定より高い価格で売却しやすいでしょう。
ただし、コスト面では注意しておきたい点もあるので、ここでは
住宅性能表示制度にどんなメリットやデメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
住宅性能評価のメリット
まずは、住宅性能表示制度のメリットからです。
●住宅の性能が可視化されているため安心
●住宅ローンの金利引き下げがある
●地震保険料の割引を受けられる
●トラブル発生時に紛争処理機関の利用が可能
住宅性能評価を受けている住宅は、住宅の性能が一目で分かるようになっているところが制度の最大のメリットです。
また、住宅性能表示制度に基づく評価が高い住宅なら、民間の金融機関や住宅金融支援機構の引き下げ金利を利用できるので、
住宅ローンへの負担を軽減できます。加えて、優れた耐震性能を持つ住宅であれば、地震保険料の削減にもつながります。
さらに、住宅の売買契約で紛争が発生したときは、紛争解決を有利に進めることができる指定住宅紛争処理機関に申請ができるので、
住み続けた後にもメリットのある制度です。
住宅性能評価のデメリット
一方で住宅性能表示制度を活用すると、以下のようなデメリットが考えられます。
●建築コストがかかる
●住宅性能評価を取得するには費用がかかる
●相反する評価項目がある
住宅性能表示制度を利用する最大のデメリットはコストです。
住宅性能評価で一定の水準を満たすためには、選ぶ資材や設計・建築記述などが重要になるため、その分コストが上乗せされます。
また住宅性能評価書を交付してもらうには、設計住宅性能評価と建築住宅性能評価の2種類あり、
両方を取得する場合10万円~20万円の費用が別途必要なになります。
さらに、評価項目の中には、相反する項目が含まれているため、どれかを重視すると、他方の項目がマイナスになる可能性もあります。
そのため、コストや項目内のバランスも考えつつ住宅性能評価を取得するときはプロに一度相談してみるのもよいでしょう。
要注意!建築基準法を下回る住宅は評価の対象外
住宅性能評価書を受け取るには、まず建築基準法をクリアしていることが必須条件です。
建築基準法の検査済証の交付を受けている住宅のみが、住宅性能評価の交付対象となります。
この検査済証は、建築物が法律の要件を満たしていることを証明するものであり、その交付を受けていない住宅は違法となります。
そのため、住宅購入時には検査済証の有無を確認したうえで、
住宅性能評価書が交付されているかをチェックするのが重要なポイントとなります。
まとめ
今回は住宅性能表示制度について、仕組みやポイントなどを詳しく解説しました。
安心して暮らせる住宅を手に入れるための基準として、住宅性能表示制度は非常に大切だとお分かりいただけたでしょう。
特に日本は地震大国としても有名です。
国語技術研究センターによると、日本近ではマグニチュード6の地震が全世界の17.9%も発生すると言われているため、
住むエリアだけでなく住宅そのものの耐震性も家選びの際には重要となります。
日本のように地震が頻発するような地域に住むのであれば、ポラスの分譲住宅がおすすめです。
理由を簡単にまとめてみました。
●全棟構造計算の優れた耐震強度になっている
●自社で設計から施工・管理監督まで厳しい基準を定めて施工を行っている
●いざというときの倒壊シミュレーションが緻密
●デザインから構造、住環境までを徹底して考え、お客様の健康や安心に配慮している
このようにポラスの分譲住宅では、購入したお客様に心から満足していただける住宅づくりを行っています。
ぜひ興味のある方は、「ポラスの魅力」も参考に家選びを検討してみてください。
また、分譲戸建てやポラスグループに関するQ&Aもまとめていますので、気になることやお困りごとがある方は合わせ以下もご覧ください。
>> 分譲戸建・ポラスグループに関するよくあるご質問