暮らしのコラム

2024年8月22日

今後の住宅ローン金利はどうなる?
金利の動向について解説【2024年】





現在住宅ローンを利用している方や、今後住宅ローンを利用しての住宅購入を考えている方にとって、気になるのが金利の問題ではないでしょうか。

2024年3月には日銀によりマイナス金利政策の解除が発表され、およそ17年ぶりに金利の引き上げが決定されたこともあり、その影響はどうなのか、今後の動向は特に気になるところですよね。

そこで今回はそんな住宅ローン金利の2024年現在の情報と今後について、金利上昇に備えるためのポイントなどとともにご紹介していきます。

1. 住宅ローン金利の種類

住宅購入の際に利用できる住宅金利には、「何を基準に金利を決めるか」という点で分けられた、いくつかの種類があります。

それぞれどんな指標をもとに金利を定めているものなのか、その仕組みや特徴をご紹介します。



1-1. 変動金利

変動金利は、半年に一度金融の情勢に応じて金利が変動するという金利タイプです。
日銀の政策金利の影響を受けるもので、「短期プライムレート」と呼ばれる優良企業への1年未満の資金貸し出し時に適用される最優遇金利が金利決定の指標とされます。

変動するリスクがある分、他のタイプと比較して金利が低くなりやすいという大きなメリットがあるためか、利用している人が最も多いのが変動金利です。



1-2. 固定金利

固定金利はその名の通り、住宅ローンの返済期間中の金利が固定になるものです。
こちらは「新規発行10年物国債」といった長期金利を指標とするもので、市場取引に参加している投資家などの金利の見通しに影響されます。

変動金利よりも高くなることが多いですが、金利が一定のため月の支払額が安定するというメリットがあります。



1-3. 固定金利期間選択型

固定金利には、ローン返済中の全期間の金利を固定するものだけでなく、固定期間を選択し、期間終了段階で再度金利タイプを選択できるという固定金利選択型もあります。

例えば2年・3年・5年・10年など、ローンを組む際に期間を選択し、その期間を終えたら、その後も固定金利を継続するか、変動金利に変更するかを選択します。
期間選択型であれば、ご家庭や金利の状況に合わせて金利を変更することが可能になるでしょう。

2. 【2024年】住宅ローン金利は今後どうなる?

変動金利や期間選択型を利用している方にとっては特に、金利の動向は直接的な支払額に影響するため気になる問題です。
それでは、住宅ローン金利には一体今後どのような変化が予想されるのでしょうか。



2-1. 日銀のマイナス金利政策の解除

2016年より、金融緩和の一環として日銀によって行われていた「マイナス金利」は、民間の銀行が日銀に預けている預金の一部の金利をマイナスとすることで、お金を市場に回しやすくするといったものです。

これにより住宅ローン金利も低下していましたが、このマイナス金利政策が2024年3月、制作の目標を達成したとして解除されました。

前述したように変動金利は短期プライムレートを指標としており、この短期プライムレートの決定には日銀の政策金利が大きく関わるため、マイナス金利政策の解除によって住宅ローン金利にも影響があるのではないかと心配されているのです。



2-2. 住宅ローン金利への影響は?

マイナス金利の解除による住宅ローン、特に変動金利への影響ですが、結論から言えば急激な上昇は考えにくいでしょう。
2024年3月の解除後も、ほとんどの銀行で金利上昇は見られていません。

しかし、今後政策金利の利上げが予想されており、そうなれば徐々にではありますが変動金利は上昇していくことが予想されます。

また、固定金利に関しては、2022年12月の長期金利上限の引き上げから金利は上昇傾向にあります。
さらに2024年6月の金融政策決定会合にて長期国債買い入れ額の減額も決定したため、今後も緩やかな上昇が考えられるでしょう。

どちらも金融の状況に影響を受けるため、変動金利の方が後から上昇しやすい傾向にありますが、変動金利が上昇するころにはすでに固定金利は上昇している……ということもあります。
金利タイプを選択する際には、現在の状況と今後の予測、そしてリスクとメリットから多角的に考慮する必要があります。

3. 借入中に住宅ローン金利が上がったらどうなる?

住宅ローン金利の動向は、今後住宅を購入する場合だけでなく、現在住宅ローンを借入している方にも影響する場合があります。

本章では、借入中に金利が上昇した場合、実際に支払いにはどのような影響があるのかを解説します。



3-1. 固定金利の場合

全期間での固定金利の場合には、ローンを組んだ段階で金利が確定するため、その後期間中に金利が変動したとしても影響はありません

しかし、期間選択型を利用している場合には期間終了時に再度金利の形式を選ぶことになります。 固定金利を再度選択したとしてもその時点の金利が適用されるため、期間終了時に金利が上昇していればその後の返済額が増えるということがありますので注意しましょう。



3-2. 変動金利の場合

変動金利の場合には金利が半年に一度見直しされますので、金利変動の影響を大きく受けるでしょう。
しかし、変動金利には以下の2つのルールがあります。

▼5年ルール
月の返済額の見直しは5年ごとであるため、金利が見直しにより変更になった場合も前回の返済額見直しから5年間は返済額自体は変更されないというルールです。
返済額が同じというだけで、金利は上がりますので元金と利息の割合には変更があります。

▼125%ルール
5年ごとの返済額見直しの際にそれ以上に金利が上昇していても、それまでの月返済額の125%までの金額が再決定される月額の上限となるというルールです。

これらのルールにより急激な返済額の上昇は行われないようになっていますが、もしも大きく金利が上昇してしまった場合には、利息の割合ばかりが多くなり、元金の返済が思ったよりも進んでいない、ということもあり得ます。
また、元金均等返済による返済を選択している場合には、これらのルールは適用されませんので注意しましょう。
【3,000万円を30年の変動金利で借入した場合の例】
※1~15年目の金利が0.5%、16~30年目までの金利が1%で、ボーナス返済月なしの場合

1~15年目の月支払額 89,756円
16~30年目の月支払額 93,138円
総支払額 32,920,977円

4. 金利上昇に備えるには

これまでご紹介したように金融情勢などの影響を受けるため、住宅ローン借り入れの際には金利上昇のリスクについてしっかりと知り、事前に備えておくことも重要です。
リスクを考慮した住宅ローン利用のためには、以下の3つの対策が可能です。



4-1. 繰り上げ返済

住宅ローンは、元金の一部を繰り上げ返済することも可能です。
金利が上昇し、利息の割合が増えて総返済額に影響しそうな場合には、繰り上げ返済を活用して元金を減額するのもおすすめです。

もちろん繰り上げ返済にはそれだけの資金が必要になりますので、資金に余裕がある場合にしましょう。



4-2. 借入金額は慎重に検討する

当然ですが、借入金額が大きければ大きいほど金利の影響によって総支払額が増加してしまいます。
はじめに頭金を多めに入れられるようにしたり、そもそも購入する物件の予算を考えたりと、金利上昇も考慮し無理なく返済できる範囲での借入を行いましょう。



4-3. 状況に応じて固定金利を選ぶ

金利が上昇することが予測され、不安に思っているという方は、変動金利ではなく固定金利を選択する、もしくは固定金利に変更するということも方法のひとつです。

固定金利であれば月々の支出は一定になり管理しやすくなるため、住宅ローン以外での不測の支払いに備えたいなど、安定した返済を行いたい方は特におすすめですね。

まとめ

今回の記事では、住宅購入を考える方やすでにローンを利用している方が気になる住宅ローン金利の今後について、金融の情勢なども踏まえてご紹介しました。

無理なく住宅ローンを利用する際には、金利変動のリスクもしっかりと考え、慎重に金利タイプを選択することが非常に重要です。
この記事を参考に、自身のライフスタイルや今後のビジョンも意識しながら住宅ローンを上図に活用していきましょう。

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