暮らしのコラム

2023年12月14日

【住宅ローンの種類】仕組みと合わせてわかりやすく解説




物件探しを始めたが住宅ローンをどのように検討すればいいのかわからない、住宅ローン手続きの全体像を知りたい、という方が多いのではないでしょうか。
住宅ローンは、金融機関によってさまざまな商品が販売されており、金利タイプや返済方法を知ることで自分に合った住宅ローンを選ぶことができます。
この記事では、住宅ローンの種類やその特徴、住宅ローンの全体像について詳しく解説します。

住宅ローンは大きく分けて3つ

住宅ローンの組み方には大きく3つの方法があります。ここでは住宅ローンをどのように組むのかを詳しく解説します。


民間融資

ひとつ目は民間の金融機関で住宅ローンを組むことです。
民間の金融機関とは、メガバンクや地方銀行、信用金庫や労働金庫、JAなどがあげられます。
民間の金融機関ではさまざまな住宅ローン商品が販売されているので、自分に合った住宅ローンを組むことが重要です。
民間融資のメリットとしては、普段利用している金融機関で住宅ローンを組むと金利の優遇を受けられることがあるという点です。


公的融資(財形住宅融資)

次に、財形住宅融資です。財形住宅融資とは、企業の財形制度を利用している人が受けられる融資のことです。
また、財形住宅融資は住宅金融支援機構から融資を受けるため、公的融資に含まれます。
この融資は、比較的低金利で借りられるという特徴があり、財形貯蓄残高の10倍(4000万円が限度)まで借り入れられます。
勤務先で財形制度を利用している方は検討してみると良いでしょう。


協調融資(フラット35)

協調融資とは、複数の金融機関で協調し融資を実行する方法です。
代表的な協調融資には、住宅金融支援機構が提供しているフラット35があります。
フラット35は満70歳まで申し込みできる全期間固定の住宅ローンです。
フラット35の特徴は、申し込める人の範囲が民間融資に比べると比較的広いため、民間融資で申し込めない人でも申し込むことができる点です。

住宅ローンの仕組み

ここでは、段階に沿って住宅ローンの仕組みを解説します。


1.金融機関に住宅ローンの申し込みをする

住宅ローンは、金融機関に申し込みを行うことから始まります。
住宅ローンの申し込みでは、申込者の氏名、住所、年収や勤務先などを申告し、金融機関の審査が行われます。
申し込みを行うことで審査に進むことができ、申込者が住宅ローンを借りられるのかがわかります。


2.金融機関の審査に通る

住宅ローンの申し込み後に審査を通過すれば、住宅ローンを借りることができます。
金融機関の審査期間は、事前審査で3日〜1週間、本審査で1〜2週間程度かかります。
審査通過後、金融機関との契約を経て融資が実行されます。


3.金融機関から融資を受ける

金融機関から融資を受けると、指定した口座に金融機関から融資金額が振り込まれます。
その融資金額が物件の購入費や新築住宅の建築費に充てられるという流れです。


4.毎月一定の金額を返済する

融資が実行されると、翌月または翌々月から返済が開始されます。
指定した日に口座から毎月返済額が引き落とされていくことが一般的です。

金利タイプによって異なる住宅ローン

住宅ローンは金利タイプによって仕組みが異なります。
それぞれの金利タイプの特徴やメリット・デメリットを紹介します。


変動金利

変動金利は、半年に一度の金利変動により返済総額が変動することが特徴です。
変動金利のメリトは他のタイプの住宅ローンより金利が低いため、毎月の返済額が低く済むことです。
一方、デメリットは金利変動により返済総額が増えてしまうリスクがある点です。
少しでも毎月の支払額を抑えたい人におすすめの住宅ローンタイプです。


固定金利

固定金利は、全期間において金利が変わらない住宅ローンタイプです。
全期間金利が変わらないということは、毎月の支払額が最後まで変わらないということです。
固定金利のメリットは、支払額が全期間変わらないため返済計画が立てやすいということや、金利上昇リスクの不安がないということです。
反面、変動金利と比較すると金利が高いため、返済額が多くなってしまうというデメリットがあります。


固定期間選択型

固定期間選択型は、2年、3年、5年、10年、20年などの期間を決めて、その期間だけ固定金利を選べるという住宅ローンタイプです。
当初の固定期間が短いほど金利が低いという特徴があります。
メリットは、固定期間が終わった段階で、家計に合わせてその後も固定金利を続けるのか、または金利が低い変動金利に変更するのかを選択できることです。
一方、固定期間が終わった後の金利は、当初より高く設定されていることがデメリットです。


主に利用されている金利タイプは「変動型」

住宅金融支援機構による「住宅ローン利用者調査(2023年4月調査)」によると、住宅ローンで一番多く利用されている金利タイプは変動型です。
調査結果では、変動金利を利用している人が72.3%、固定期間選択型が18.3%、全期間固定型が9.3%という結果となりました。

住宅ローン2つの返済方法

住宅ローンの金利タイプには3パターンがありましたが、返済方法は大きく分けて2つがあります。それぞれの特徴について解説します。


元利均等返済

元利均等返済とは、毎月の支払額が一定になるように設定された返済方法です。
元利均等返済のメリットは毎月の支払額が一定のため、返済計画が立てやすく、家計の管理がしやすい点です。
一方、デメリットは元金均等返済に比べると総返済額が大きくなってしまうことです。


元金均等返済

元金均等返済とは住宅ローン返済期間の間、元金の返済額が一定という返済方法です。
つまり、住宅ローンの返済当初の返済額が一番高く、元金を返済していくごとに減っていくというものです。
この返済方法のメリットは、元利均等返済に比べて総返済額が少ないという点です。
その反面、当初の返済額が高いため住宅ローンの審査が厳しくなることがデメリットといえます。

住宅ローンの借入限度額や注意点をさらに知りたい方は、こちらをチェックしてみてください。


>> Vol.66 関連コラム「住宅ローン借入限度額の計算方法や注意点を解説」

住宅ローン手続きの流れ

住宅ローンは物件の購入と並行して行わなければいけません。
そのため、全体の流れを把握しておくことが重要です。ここでは、住宅ローンの流れを5つに分けて紹介します。


1.情報収集・物件探し

物件を探し出すタイミングに合わせて、住宅ローンに関する情報収集を始めましょう。
情報を集める方法としては、不動産会社と提携している金融機関を紹介してもらったり、現在メインバンクとして利用している銀行に話を聞いたりしましょう。
また、インターネット検索やセミナーへの参加で情報収集する方法もあります。


2.事前審査の申し込み(仮審査・承認)

購入する物件が決まり、手続きを進めることが決まれば事前審査の申し込みを行います。
事前審査とは、本申込をする前に行われる簡易的な審査のことで、この審査で承認を得られなければ本審査を受けることができません。
事前審査では、申込者の氏名、住所、勤務先や年収などを申告し、収入を証明する書類を提出します。事前審査でかかる日数は、3日〜1週間ほどです。


3.本審査の申し込み(正式審査:承認)

事前審査の承認を得られれば、次に本審査へ進みます。
本審査では、購入する物件の詳細な情報や住民票、所得証明書などの公的書類を提出しなければいけません。
また、団体信用生命保険に加入するための健康状態の告知書も提出します。
本審査の期間は事前審査より長く、1〜2週間程度かかることがほとんどです。


4.住宅ローン契約

本審査を無事通過すれば、金融機関と金銭消費貸借契約を締結することになります。
同時に抵当権を設定する抵当権設定契約や、保証会社との保証委託契約も締結します。
また、登記関係を司法書士に依頼する場合は、司法書士との打ち合わせも並行して進めていきます。


5.融資実行

住宅ローンで申し込んだ資金が、指定された口座へ振り込まれることを融資実行といいます。
一般的には物件の引き渡し日に合わせて融資実行が行われ、振り込まれた資金を利用して物件の購入や建築費にあてます。
無事支払いが完了すると、物件の引き渡しが行われ取引の完了となります。

まとめ

この記事では、住宅ローンの種類とその特徴について詳しく解説しました。
金利タイプには3つあり、自身の返済計画に合わせて選択することが重要です。
また、返済方法には2つのパターンがあることを理解し、メリット・デメリットを把握したうえで選ぶようにしましょう。

これから物件探しと平行して住宅ローンを検討する方は、本記事を参考に自分に合った住宅ローンを探してみてください。

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