暮らしのコラム

2024年1月16日

延床(のべゆか)面積って何?
建築面積・敷地面積との違いも解説




マイホーム探しで「延床面積」という言葉を目にする機会があります。
なんとなく床面積のことだとは分かるものの、言葉の定義や意味を知らない人が多いのではないでしょうか。
延床面積が広いと理想のマイホームに近づけますが、家の中には床面積に含まれない部分もあるため、延床面積についてきちんと理解しておきましょう。

本記事では、延床面積の定義や似たような言葉との意味の違い、延床面積に含まれる部分と含まれない部分について詳しく解説します。

延床面積とは

延床面積とは、建物の各階の床面積を合計した面積のことです。
「建物面積」や「延べ面積」ともいわれ、建物の規模をあらわす数値として用いられています。

たとえば、平屋建て住宅の各階の床面積が100平米の場合、延床面積は100平米です。
また、2階建住宅で1階の床面積が100平米、2階の床面積が150平米の場合は、延床面積は250平米となります。


延床面積に含まれる部分

延床面積に含まれる部分は以下のとおりです。

・居室
リビングや洋室、和室などの居室は延床面積に含まれます。
書斎などのワークスペースも延床面積として算入されます。

・廊下
居室や玄関、水回りなどをつなぐ廊下も延床面積に含まれます。

・階段
階段も延床面積として算入されます。

・浴室、トイレ、洗面所
これらの水回りも延床面積に含まれるため、広めの水回りに設計した場合、その分延床面積が広くなります。

・キッチン
生活に欠かせないキッチンも延床面積に含まれます。

・クローゼット
クローゼットや押入れなどの収納スペースも延床面積に含まれます。
居室でないからといって含まれないということはありませんので注意しましょう。

・納戸
納戸とは、建築基準法上、採光などが原因で居室と表示できないスペースです。
納戸も居住スペースのため延床面積に含まれます。


延床面積に含まれない部分

住宅の中には延床面積に含まれない部分もあります。
一定の基準を満たさなければ延床面積に参入されない部分がありますので、家づくりの参考にしてください。

・バルコニー、ベランダ
バルコニーとベランダは延べ床面積に含まれません。
ただし、外壁から2mを超える場合は、超えた分が延床面積に算入されます。
奥行きがあるバルコニーを設計する際は気をつけましょう。

・テラス
壁で囲われていないテラスやウッドデッキは延床面積に含まれません。

・屋上
屋上部分を利用できる住宅がありますが、屋上のスペースは延床面積に算入されません。

・軒下
軒下とは、外壁から突き出た屋根の下にあるスペースです。
軒下のスペースも延床面積に含まれません。

・屋外階段
屋外階段は、以下の条件を満たせば延床面積に算入されません。
●屋外階段の長さの1/2以上が外部に開放されている。
●階段の天井から手すりや壁までの高さが1.1m以上、かつ、階段の外部に開放されている部分が、天井の高さの1/2以上である。

・出窓
出窓も以下の基準を満たせば延床面積に含まれません。
●床面から出窓の下までの高さが30cm以上ある。
●外壁面から出た水平距離が50cm未満である。
●見付面積の1/2以上が窓である。

・ロフト
ロフトは小屋裏収納ともよばれ、部屋の上部に設置されたスペースです。
以下の基準を満たせば延床面積に算入されません。
●天井高が1.4m以下である。
●設置する階の床面積の1/2以下の面積である。
●はしごが固定されていない。

・ビルトインガレージ
ビルトインガレージとは、建物の1階部分に駐車スペースを設けたガレージのことです。
延床面積の1/5以内であれば緩和制度により延床面積に含まれません。
1/5を超えた部分については延床面積に算入されます。


建築面積・敷地面積との違い

延床面積と似たような言葉で「建築面積」と「敷地面積」があります。
それぞれの意味と違いを解説します。


建築面積

建築面積とは、建物を真上から見たときの面積です。
2階建て以上の住宅の場合、床面積が広い方が建築面積となります。
建築面積は「1フロアの床面積」に対し、延床面積は「各階の床面積の合計」という違いがあります。
ポラスでは、延床面積を「建物面積」と表記しているので間違えないように注意しましょう。

建築面積は建ぺい率を計算する際に用いられます。
建ぺい率が60%のエリアで100平米の敷地に建物を建てる場合、建築面積を60平米までに抑えなければいけません。


敷地面積

敷地面積とは、建物が建っている、あるいはこれから建てる土地の面積のことです。
延床面積は建物の面積なのに対し、敷地面積は土地の面積という違いがあります。

敷地面積は建ぺい率、容積率の計算の際に用いられます。
たとえば、容積率が200%で指定された100平米の敷地面積の土地には、200平米までの延床面積の建物が建てられます。
ちなみに、ポラスでは敷地面積を「土地面積」として表記しています。


延床面積(建物面積) 各階の床面積の合計面積。
建築面積 建物を真上から見たときの面積。
敷地面積(土地面積) 建物が建っている、あるいはこれから建てる土地の面積。

延床面積の平均は37.6坪


出典:株式会社AlbaLinkの「家を購入する際に優先したことと妥協したこと」

マイホーム探しにおいて、希望条件や優先したいことはそれぞれありますが、 株式会社AlbaLinkの【家を購入する際に優先したことと妥協したこと】に関するアンケート調査によると、
「家の購入で優先したこと」の3位に間取り・広さ(71人)がランクインしています。
ちなみに、1位は立地、2位は価格という結果でした。

この結果を見ると、快適な住環境をつくるうえで間取りや広さを重要視している人が一定数いることがわかります。
「1人1部屋欲しい」「収納スペースを充実させたい」という声や、部屋数や間取りだけでなく生活動線を重視する人もいます。

また、近年ではリモートワークが浸透しており、マイホームの一角で仕事をする場面が増えました。
そのようなワークスタイルの人はワークスペースにこだわるため、その結果床面積が広い家を優先するのです。

また、住宅金融支援機構による【2020年度フラット35利用者調査】によると、注文住宅の延床面積の全国平均は37.6坪でした。
延床面積が37.6坪の家は一般的に4LDKや5LDKの間取りが多いため、比較的余裕のある生活ができるでしょう。

知っておきたい!建築基準法と延床面積の関係性

建築基準法とは、建物を建築する際の構造、設備、用途などに関する最低基準を定めた法律です。
敷地に自分の好き勝手な建物を建てて良いわけではなく、規則に則った建物を建築しなければいけません。

建築基準法には「建築確認制度」という制度があり、建築工事の着工前に建築主事(審査を行う職員)から建築確認の許可を受けてから工事を始める必要があります。

その建築確認で守らなければいけない制限の中に、延床面積を基準とした建ぺい率や容積率が含まれています。
このことから、建築基準法と延床面積には密接な関係があることがわかるのです。

容積率は、敷地面積に対する延床面積の割合のことで、「延床面積÷敷地面積」で算出することができます。
ただし、容積率は前面道路幅による制限が設けられているので注意が必要です。

前面道路幅が12m未満の場合は、「前面道路幅と各自治体が指定した数値(40、60、80)を掛けた値」と「用途地域で定められている容積率」の低いほうが容積率として適用されます。

たとえば、以下の土地では容積率の適用はどうなるでしょうか。

・用途地域による容積率300%
・前面道路幅4m
・自治体が指定した数値60


この場合、前面道路幅が12m以下のため「4m✕60=240%」と「用途地域による容積率300%」の低いほうが適用され、240%が容積率になります。
前面道路幅によって建てられる延床面積に制限がかかりますので、用途地域だけでなくその他の情報にも気を配る必要があるでしょう。

※容積率とは…1平米の土地に建てることができる床面積の割合
※建ぺい率とは…1平米の土地に建てることができる建築物の敷地面積の割合

>> Vol.100 関連コラム「建ぺい率」と「容積率」の意味と違い!用途地域による違いや緩和制度についても解説」

まとめ

今回はマイホーム探しにおいて重要な延床面積について解説しました。
延床面積は建物の各階の床面積を合計した面積で、建物の規模をあらわす値です。
よく似た言葉で「建築面積」や「敷地面積」などがありますので、違いをしっかり理解しましょう。

家の広さがわかる延床面積。この面積をマイホーム探しでの指標のひとつにしてみてはいかがでしょうか。

ポラスの分譲住宅では、ご希望の広さに応じた物件紹介や、ご来店いただいてからのご相談も承っております。
現地説明会も随時行っておりますのでお気軽にご参加ください。



>> ポラスの来店予約はこちらから

用地募集
☆新着物件 物件を探す
このページのトップへ戻る