暮らしのコラム

2024年1月16日

長期優良住宅は得になる?
定義や5つの嬉しいメリットについて解説




さまざまな条件やこだわりのなか選ぶマイホーム。
気に入って選ぶ家だからこそ、引っ越しなどがない限りはできるだけ長く住み続けたいと思う方は多いのではないでしょうか。
実際に、国土交通省が2014年に行ったモニター調査では、年齢が上がれば上がるほど、「リフォームして現在の家に住み続けたい」という結果が出ています。


出典:国土交通省(住生活に関する意識調査の結果概要)

そこで本記事で解説したいのが「長期優良住宅」についてです。
長期の基準も人それぞれかと思いますが、長期優良住宅は約70年良好に維持できるもとして認められた住宅を指します。
1世代が住む期間を20年~30年として考え、3世代で70年~90年住み続けた場合を想定しています。

住み続けることによって、住みやすさや快適さ、居心地の良さが出てきますが、住宅も人と同じように年月とともに劣化していきます。
そんななかでも長期的な目線で家を探すためには「長期優良住宅」であるかが重要になるのです。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の基準を満たした住宅を指します。
簡単にいうと、長期間にわたって住みやすい住宅の要件を備えた住宅です。
家の造りがしっかりしているのはもちろんのこと、耐震性、省エネルギー性、居住性能、維持管理性なども優れていることが条件に挙げられます。

また、「長く住み続けられる」ことを含め、「質の良い住まい」を建てることを指している制度に住宅性能表示制度があります。
こちらもその名のとおり制度が定めた品質性能が保証できる戸建て住宅やマンションに適用されるため、合わせてチェックしておくとよいでしょう。

>>Vol.105 関連コラム「住宅性能表示制度とは?仕組みとポイントを解説」


長期優良住宅の認定基準

長期優良住宅の認定基準は、以下の9つの項目に分かれています。
項目とその概要は以下のとおりです。

項目 概要
劣化対策 数世代にわたって住宅の構造躯体が使用できることが条件
耐震性 震度7レベルの地震が来てもすぐには倒壊しない耐震性があることが条件
維持管理・更新の容易性 耐用年数が短い内装・設備の補修や維持管理のしやすさが条件
可変性(共同住宅・長屋のみ) 生活環境の変化に応じた間取りの変更のしやすさが条件
バリアフリー性 将来のバリアフリー改修に対応できることが条件
省エネルギー性 ・1999年の「省エネルギー判断基準」をクリアしていることが条件
・適正な断熱性能を備えていなければいけない
居住環境 地域の景観に配慮された建物であることが条件
住戸面積 ・良好な居住水準を確保できる家の広さが条件
・一戸建てであれば75平米以上、共同住宅であれば50平米以上の広さが必要
・最低でも1つの階に階段を除いて40平米以上の広さが無ければいけない
維持保全計画 定期点検や補修計画が計画化されていることが条件

長期優良住宅に認定されるためには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。
住宅は、長期間にわたって快適に住宅に住めるように設計されていなければいけません。
これには、構造躯体に劣化対策を施すことや、内装設備の維持管理が容易な設計であることも含みます。
さらに、日本のような地震大国では、耐震性の高い建物であることも必須です。
また、住宅のサイズにも基準があります。戸建て住宅は最低75平米以上、共同住宅は55平米以上で、少なくとも1つの階は40平米以上となる必要があります。
住宅の構造面だけではなく、建物と地域の景観との調和も認定項目の対象となります。
環境に配慮した外観も、長期優良住宅の認定には欠かせません。

さらに、これらの基準を満たすためには、工事着工前に所管行政庁への申請が必要です。
申請を出してから受理してもらうには、約14日間の日数がかかるので、覚えておきましょう。


長期優良住宅の確認方法

長期優良住宅の確認方法は、物件情報の詳細に「長期優良住宅」と表記があるかないかで判断できます。
さらに、さまざまな種類の物件の中から最適なものを見つけるためには、以下のようなポイントをチェックしておきましょう。

ポイント 概要
認定実績 施工業者がどんな認定実績を持っているか
技術力 施工業者の技術力に問題はなさそうか
価格 住宅建設の総額だけではなく、坪単価や設備のグレードなどの内訳まで確認する

「長期優良住宅」と記載があったとしても信頼できる建設業者でなければ、満足いく住宅を手に入れることは難しいでしょう。
また、住宅建設の総額ばかりを意識せず、住宅価格の内訳をしっかり確認することも大切です。
必ず住宅購入の契約の前には、どんな内訳で費用が構成されているのかを確認するようにしましょう。

長期優良住宅のメリット・デメリット

長期優良住宅は、耐震性や省エネルギー性、居住性能に加え維持管理もしやすい面もあるなど、建物として高い性能を備えています。
災害に強く環境にも配慮した住宅なので、長期にわたって安全かつ快適に過ごすことができるでしょう。

また、税制上の優遇措置や住宅ローン金利の優遇、地震保険料の割引、補助金など、
制度を受けることで住宅購入時の費用を抑えることができるので、注意点とあわせて詳しく見ていきましょう。


5つのメリット

長期優良住宅を購入する際のメリットは、以下の5点です。

●住宅ローンの金利が優遇される
●地震保険料が割引される
●税制の控除や減税を受けられる
●補助金が受けられる
●資産価値が上がる

長期固定金利の住宅ローン「フラット35」には、借入金利を一定期間引き下げる制度【フラット35】Sがあり、
長期優良住宅であることが申込条件に含まれています。利用できれば金利が優遇され、割安で住宅を購入することが可能です。
さらに、長期優良住宅は耐震性に優れているため、地震保険料が割引されます。
具体的には、耐震等級2以上で20%、耐震等級3の場合は30%の割引が適用されます。

また、以下では税制の控除や減税を受けられます。

税制の種類 内容
所得税 住宅ローンの控除限度額が一般住宅だと3,000万円なのに対し、長期優良住宅は5,000万円まで適用になる
固定資産税 ・新築で住宅を購入した際に受けられる固定資産税の減税期間が長くなる
・一般住宅の場合だと3年間だが、長期優良住宅だと5年になる
不動産取得税 一般住宅では不動産取得税の控除が1,200万円までだが、長期優良住宅であれば1,300万円まで適用になる
登録免許税 住宅を購入した際の、所有権保存登記や所有権移転登記にかかる登録免許税の税率が引き下げられる
投資型減税 住宅ローンを使用せずに長期優良住宅を建てた場合、住宅を建てるためにかかった費用のうち最大で65万円までの所得税控除が受けられる

このほかにも、長期優良住宅には、地域型住宅グリーン化事業から最大150万円の補助金が受け取れます。
条件として、国土交通省の採択を受けた工務店による木造建築、地元材の利用があげられるので気になる方は事前に確認しておきましょう。

さらに、住宅としての性能も高い長期優良住宅は一般住宅よりも高い資産価値を維持しやすいので、売却までを想定している方にも嬉しいポイントです。


デメリット

●建築コストが上がる
●申請費用や時間がかかる
●定期的な点検やメンテナンスが必要

長期優良住宅は認定基準を満たして建築するため、必然的に建築コストが上がり、一般的な住宅と比較して購入金額が高くなります。
また、長期優良住宅の申請には手数料が5万~6万円程度かかり、ハウスメーカーなどに代行してもらう場合は、
20万~30万円が追加費用として加算され、さらに申請時には以下の手順を踏む必要があります。

1.ハウスメーカーや工務店と契約をする
2.登録住宅性能評価機関に審査を依頼する
3.交付された確認書と必要書類を併せて所管行政庁に提出する

申請は終わるまでに1か月程度かかります。すべての申請を住宅建設着工前に行わなければいけないので、自身で申請をする場合は逆算して行動しておきましょう。

また、長期優良住宅の購入後には定期的な点検やメンテナンスが必要になります。
住宅の定期点検や調査は、購入から30年間は義務付けられており、最低でも10年に1度は点検の義務があるので注意しましょう。
これらの定期点検を怠ってしまうと、長期優良住宅としての認定を取り消されてしまうので要注意です。

まとめ

今回は長期優良住宅の、メリットやデメリットについて詳しくまとめてきました。
最後にもう一度長期優良住宅が、どんな住宅なのかを振り返っておきましょう。

●2009年に施行された長期優良住宅の普及の促進に関する法律で制定された基準をクリアした住宅
●70年~90年程度は住み続けられる住宅
●住宅の性能だけではなく、エネルギー性や維持管理のしやすさ、バリアフリーへの対応、周辺環境に配慮された住宅

ご紹介した通り長期優良住宅を購入すれば、税制面などでさまざまなメリットを得ることができます。
もし、長期間にわたって同じ家に住みたいと思われるのであれば、長期優良住宅の購入を検討してみましょう。
特に日本のように地震が頻発する国では、長期優良住宅の購入がおすすめです。

ポラスグループでは長期優良住宅普及活動も行い、過去に認定実績もあります。
国土交通省から長期優良住宅先導事業者にも採択されているので、安心して暮らせる住宅を購入しやすいでしょう。
気になる方はぜひポラスの魅力についてご覧いただき、長く住み続けられる家探しの参考にしてください。

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